農家は収入格差が大きいとよく聞くな。どうせやるなら儲けたいけど、具体的にどうすれば儲かるのか分からないから教えてほしい!
こんな方に向けた記事です。
- そもそも農家さんはどのぐらい稼いでいるのか?平均収入について
- 農業における「儲ける」の定義
- 農業で儲ける方法とは?
この記事は農園のWeb活用支援団体ファームコネクトが書いています。
ネット販売の代行、ホームページ制作、クラウドファンディング支援など、農業特化のWeb事業として様々なサービスを展開しています。
野菜で月次売上200万円、とうもろこしで日次売上100万円超えなど、多数の販売実績があり、行政とも提携している組織です。
→ファームコネクトの事例紹介
今回は、上記の活動を通してお会いした、年商5,000万〜1億円の複数の生産者さまからヒアリングした内容、そして私たちの知見を交えて「農業で儲ける方法」を解説していきます!
基礎的なことがメインですが、役立つ部分も多いはず。ぜひご参考ください!
そもそも農業従事者ってどのぐらい儲けているの?平均収入は?
そもそも農家さんはどれほど稼いでいるものなのでしょうか?
結論から述べると、農家さんの平均収入は約450万円です。(兼業農家さん含む)
※詳細は「農家さんの平均収入と、儲けている農家さんの収入の仕組みを解説」をご覧ください。
ちなみに、専業農家さんにかぎると、平均年収は約550万円とされています。(参考:農林水産省)
とはいえ農業は個人事業ですので、実際は「数億円規模で儲けている農家さん」がいれば、「平均収入よりも圧倒的に稼ぎが少ない農家さん」もいます。
同じ職業でも、やり方次第で大きな格差があることが農業の特徴でしょう。
農業で「儲ける」とは?
転職エージェントによると、農家さんの約4割は年収300万円以下で、年収1,000万円を稼ぐのは全体の1割未満だそうです。
かなり格差の激しい世界であることが分かります。
上記のこと、そして世間の常識的にも、年商1,000万円を稼いでいれば十分に「農業で儲けている」と言えそうですね。
とはいえいくら1,000万円売っていようが、経費が多ければ手取りは少ない…なんてことも。
儲けるには「収入をできるだけ増やし、支出をできるだけ減らす」必要があるのです。
シンプルではありますが、これを突き詰めれば儲けることができます。
ここからは具体的にどのように収入を増やすのか、どのように支出を減らすのかをお伝えしていきますね。
農業の儲け方:収入を増やす
まずは収入を増やす方法です。
支出を減らすよりも難易度は高いですが、年収1,000万円以上を稼ぐならばクリアすべきポイント。
農業において収入を増やす方法はシンプルに「作物をたくさん作り、なるべく高単価で、たくさん売る」これだけです。
「たくさん作る」については専門外ですので、ここでは割愛します。
高単価で販売する
まず、収入を増やすにはできるだけ高単価なものを販売する必要があります。
そのほうが圧倒的に楽に収益をあげられるからです。
例を挙げましょう。
年商1,000万円を目指す場合、月に100万円売り上げればお釣りが返ってきます。
これをクリアするには単価が1,000円だと1,000個売る必要がある一方、3,000円なら350個程度で済みます。
販売初心者は特に「安いものをたくさん売る」よりも「高いものを少し売る」方が、集客コストが低いことから圧倒的にオススメです。
安値で販売してたくさん集客するのは、予算がある大手の戦略。
予算が限られており、生産で忙しい個人農家さんは、できるだけ高単価な商品を取り扱うことを推奨します。
高単価で販売するには、以下の2点が大切です。
- 儲かる作物を栽培する
- 言い値で売れる販路を活用する(消費者に直販)
儲かる作物を栽培する
- スーパーにはない珍しい作物
- 加工品にして付加価値をつけやすい作物
- 世間一般的に「高い」とされている作物
こういったものを栽培するのが儲かる農業の第一歩。あとは栽培が難しいですが、有機栽培の作物も需要がどんどん高まっていますね。
実際、今回インタビューした稼いでいる農家さんは、誰もが上記のいずれかに当てはまる作物を栽培しておりました。
できれば果物がいいですが、果物はハードルが高い…という方は、珍しい野菜をオススメします。
例えば私たちがネット販売をお手伝いして月次売上200万以上(ネットのみ)稼いでいる生産者さまは、プチヴェールなどのヨーロッパ野菜を扱っています。
これらをSNSで宣伝すると非常にウケがよく、消費者も適切な単価を知らないため、高単価で販売しやすいのです。
よほどの大規模農家さんでもない限り、キャベツや白菜といった付加価値をつけづらい作物の栽培は避けた方が無難。
もしこれらを栽培するのであればキムチでの販売がベストです。
言い値で売れる販路を活用する
- 直売所
- 無人販売
- 移動販売
- ネット販売
- 小売店や飲食店に直接卸す
こういった、「言い値で売れる販路」を活用する必要があります。
言い値で販売することで初めて高単価販売が可能となりますし、市場の相場に左右されず安定した収益をあげられるようになります。
ファームコネクトが事業を開始して1年半ほど経ちますが、大きく稼いでいる生産者様は100%直販をしていますね。
たくさん売る
たくさん売るには、販売手法を工夫しなくてはなりません。
言い値で売れる販路を活用する場合はどの販路においてもライバルがおり、競争に晒されるからです。
例えば、作物をたくさん売るテクニックとして以下のものが挙げられます。
- スタンプカードを導入する
- 購入数量に応じて割引を実施する
- 栽培過程を発信してストーリー性をもたせる
- 数量や期間を限定して販売する
- 商品に同封するパンフレットに「SNSに感想投稿でクーポンプレゼント!」の文言を掲載(自動集客の仕組みを作る)
これらはあくまで一例ですが、ファームコネクトが実際に作物を販売する際におこなっているもので、いずれも高い効果を発揮しております。
農業の儲け方:支出を減らす
ここからは支出を減らす方法です。
※ちなみに、上でも述べたとおり、収入を増やすよりも支出を減らす方が圧倒的に簡単なので、最初はこちらから取り組むのがオススメ!
世の中の企業コンサルタントも、最初は支出を減らすことから始めます。
支出を減らす方法はシンプルで、いかにマメに金銭管理できるかどうかにかかっています。
金銭管理方法を細かく挙げるとキリがないので、おすすめの書籍をご紹介させていただきます。
この本を読むことで無駄な支出が把握できるほか、農家さんが経理をどのように管理していくべきかもわかるので、一家に一冊ほしい本です。
また、ここからはあくまでファームコネクトの意見ですが、稼いでいる農家さんは「暇な方」が多かったです。
得た収益をつかって人を雇ったり、設備投資することで自分の時間を作りだし、その時間を使って戦略を練ったり、新たな農地を取得してきたり、あるいは飲食店等に営業したりしている方が多い印象。
ようするに、生産は人や機械に任せて、自身はそれ以外の部分に注力しているのです。
そしてさらに収益が伸びたら営業も社員に任せたりして、さらに自分の時間を作り出しています。
上級者向けではありますが、この「自分の時間を作り出すための投資は惜しまない」という考え方自体は早い段階から真似してみても良いかと思います。
将来的にリターンがあるお金の使い方を「投資」、リターンのないお金の使い方を「浪費」と言いますが、儲けている農家さんはこの区別をハッキリしている方が多いイメージです。
農業の儲け方まとめ
- 生産技術を身につける
- 高単価で販売できる作物を栽培する
- 言い値で売れる販路を活用する
- 販売手法を工夫する
- 支出を減らす
農業の儲け方には、上記の5点があることが分かりました。
基本的なことではありますが、やはり実際に稼がれている方は基本的なことを徹底しているケースが多いです。
地道ではございますが、ぜひご参考いただけますと幸いです!