新規就農したいけど、年齢が気になる。
中高年からでも農業を始めても大丈夫かな?
中高年が新規就農する上でのメリット・デメリット、成功するためのポイントが知りたいな。
こんな方に向けた記事です。
- 中高年から農業を始めるメリットとデメリット
- 中高年からの農業で成功するためのポイント
この記事は農園のWeb活用支援団体ファームコネクトが書いています。
ネット販売の代行、ホームページ制作、クラウドファンディング支援など、農業特化のWeb事業として様々なサービスを展開しています。
野菜で月次売上200万円、とうもろこしで日次売上100万円超えなど、多数の販売実績があり、行政とも提携している組織です。
→ファームコネクトの事例紹介
今回は、上記の活動をとおして多くの農家さんにヒアリングした結果をもとに、農業で成功するには年齢は関係あるのか、中高年から新規就農して成功するポイントについて解説していきます。
(ちなみに、筆者の父も50代から農業法人に転職しています)
そもそも農業における中高年とは?
最初に、本記事の「中高年」が何歳を指すのかを定義しておきます。
農林水産省の定義では49歳以下が「若者」です。
このことから本記事では50歳以上を「中高年」とします。
ちなみに、若者の就農については以下の記事で取り上げているので参考にしてみてください。
中高年から農業を始めるメリット
- 資金がある
- ノウハウが豊富
- 定年退職後であれば農業に没頭できる
農業は力仕事であるため、若いうちに始めた方が良いように思えますが、中高年ならではのメリットもあります。
結論から述べると上記3点がメリットです。
メリットその1:資金がある
農業は初期費用がかかる職業です。
農業機械はもちろん、水や肥料、マルチといった消耗品までさまざまなコストがかかるのです。
若い方が農業を始めるには、まず借り入れが必要になってきます。
しかし、中高年の方の場合は若者よりも収入が平均的に高いですし、貯蓄がある方も多く、自己資金で始められることも。
資金面でのハードルをクリアしやすいのが一つ目のメリットです。
メリットその2:ノウハウが豊富
中高年の方は若者よりも長い社会人経験があり、そのぶん豊富なノウハウが蓄積されているはずです。
農業とはまったく関係のない職だとしても「商品の売り方」「お客さまとの関わり方」「資金の使い方」など、いままでの人生で培ってきたノウハウは農業に活かせるでしょう。
私たちファームコネクトがお会いした農家さんにも、以前は車販売のディーラーをしていたり、エレベーター販売の営業をしていたり、損害保険の営業を指定たという方もいました。
これらの農家さんは、「農業にまったく関係ない業界だったが、データ管理や他の農家との付き合い方など、農業に活かせることは多々ある」とお話されています。
メリットその3:定年退職後であれば農業に没頭できる
時間もあり、資金もある定年後であれば農業にフルコミットすることができます。
筆者の祖父も、定年退職後に役所から農地を借りて、畑で野菜をそだてていました。
若者であれば、資金面の問題もあるので最初は兼業農家からのスタートが大半のはず。
この点において、農業にフルベットできることも中高年から農業を始めるメリットの一つです。
ちなみに、兼業農家については「兼業農家のメリットとデメリット、具体的な始め方を解説!」で詳しく述べています。
中高年から農業を始めるデメリット
- 体力の衰えがある
- 周囲の人の説得が必要
- 仮に借入をする場合、返済計画に不安がある
メリットもありますが、もちろんデメリットもあります。
結論から述べると、上記3点がデメリットです。それぞれ解説していきます。
デメリットその1:体力の衰えがある
若者と比べると、どうしても基礎体力が劣ってしまいます。
農作業は肉体労働です。夏場は炎天下での作業も多く、体力的にきつい思いをすることも多いでしょう。
デメリットその2:周囲の説得がいる
年齢を重ねれば重ねるほど、ご家族の説得が必要になってくるでしょう。
また、脱サラして農業を始める場合は会社を説得しなければなりません。
デメリットその3:仮に借り入れをする場合、返済計画に不安がある
自己資金であれば問題ありませんが、仮に借り入れをする場合は返済計画に不安が生じるでしょう。
金額にもよりますが、しっかり計画を立ててから就農する必要がありますね。
中高年から農業を始める上で成功するためのポイント
ここまで、中高年が就農する際のメリット・デメリットを述べてきました。
ここからは実際に中高年世代の方が就農した際、どういった点に注意すべきかを述べていきます。
ポイントその1:時間や労力を効率的に使うよう心がける
若いときから農業を始める場合と比べて、農業に携わる時間が少ないですよね。
20,30代から農業に携わっている農家さんとくらべると、同じペースで学んだ場合、栽培技術の面で敵わないでしょう。
そのため無駄なく効率的に農業に携わり、最小の努力で最大限の成果をあげる必要があります。
より良い機械を活用したり、言い値で売れる販路を開拓して高単価で販売したり…さまざまな工夫が求められます。
ポイントその2:アンテナを張り続ける
クラウドファンディングやSNSマーケティングなど、数十年前には考えられなかったような売り方や消費者へのアプローチ方法が出てきています。
特にITの業界は変化が激しいといわれています。そういった変化に対応できるように学び続ける必要があります。
成功している農家さんは、学ぶ努力も欠かしていません。常にアンテナを貼りながら、学んでいく姿勢が重要になってきます。
農業について学ぶ方法は「農業を効果的に学ぶおすすめの方法8選」を参考にしてみてください。
農業を始める年齢まとめ
以上、中高年から農業を始めるメリット・デメリット・成功のポイントでした。
デメリットもありますが、中高年から農業を始めるがゆえのメリットも存在しています。
「若いうちからじゃないとダメ」ということはないので、就農を前向きに考えてみてはいかがでしょうか?
私の父も50代になってから脱サラして農業法人に転職しましたが、とても楽しそうな毎日を送っています。
主に金銭面で不安もありますが、農業は補助金も充実しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。