農園をPRするのにSNSが有効と聞いたことがあるけど、本当に効果があるの?
すこし面倒だけど、売上が伸びるなら挑戦してみようかな。
具体的なメリットと、運用のポイント、成功事例を教えてほしい!
こんな方に向けた記事です。
- 農家さんがSNSを使うメリット
- 農園PRに使うべきSNS
- SNS運用のポイント
この記事は農園のWeb活用支援団体ファームコネクトが書いています。
ネット販売の支援、ホームページ制作など、農業特化のWeb事業として様々なサービスを展開。
野菜で月次売上200万円、とうもろこしで日次売上100万円超えなど、多数の販売実績があり、行政とも提携している組織です。
→ファームコネクトの事例紹介
今回は様々な農家さんのSNS運用を代行してきた経験や、知り合いの複数のインフルエンサーにヒアリングした内容をもとに、農家さんのSNS活用について解説していきます。
農業従事者がSNSで農園をPRするメリット
農家さんがSNSを活用するメリットとして、以下の4点が挙げられます。
- 全国に情報発信ができる
- 他の農家さんとの差別化につながる
- 消費者の声を聞くことができる
- 横のつながりができる
SNSは無料かつ専門知識不要で気軽に始められるにも関わらず、これだけのメリットがあるのはありがたいですよね。
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
全国に情報発信ができる
まず、SNSを活用することで全国の消費者や飲食店等の事業者、メディア関係者に情報発信できるというメリットがあります。
商圏が全国なのでそのぶん市場が大きく、PR効果が絶大となります。
SNSでの発信とともにネット販売を開始すれば、売上も大きく伸びることでしょう。
また、SNSでの発信をきっかけとして各種メディアに取り上げられることも少なくありません。
他の農家さんとの差別化ができる
いまの時代は、作物の糖度や栄養素といった機能的な価値だけでは差別化が難しくなっており、「誰が作っているのか」という感情的な価値が重要視されるようになっています。
どの作物も「安全」であることは保証されていることから(売られている野菜を食べて体調不良になりませんよね)、生産者について知ることで得られる「安心」に価値があるのです。
SNSはこの「安心」を与えるのに重要な役割を果たします。
作物が出来上がるまでのストーリー・生産者の人柄といった部分を発信することで、他の農家さんとの差別化に繋がり、結果として農園のファンができます。
消費者の声を聞くことができる
SNSは「消費者と直接コミュニケーションを取れるツール」という側面があります。
消費者からご意見をいただくことで、より愛される農園作りに活かせることはもちろん、日々の農作業のやりがいも一層深まることでしょう。
横のつながりができる
SNSを通して生産者同士の繋がりができる点もメリットです。
農業ならではの苦労を共有して励ましあったり、解決策を共有したり、協力して作物の販売促進に取り組んだり…
一人ではできないことができるようになります。
農業従事者が農園をPRするのにオススメなSNS
SNSのメリットを知り、なんとなくSNSを始めてみようかと考えている方もいるかもしれません。
ここではそんな方のために、農園PRで活用すべきSNSを紹介します。(上からオススメ順です)
Instagram(インスタグラム)
「写真や短編動画」をシェアするSNS。
低単価商材の販売促進にベストなSNSで、農園との相性がばっちり。
Instagramの活用方法等については「農家さんが農園のインスタを活用すべき理由と運用方法を解説します」で詳しく解説しています。
X(旧ツイッター)
主に文章を投稿するSNS。
以前は140字以内の文章が投稿できるものでしたが、今では文字数制限がなくなり、長文の投稿もできるようになりました。(課金が必要)
Xの特徴はなんといっても拡散力。
リツイートと呼ばれる「他者のツイートを自分のフォロワーに共有する機能」があるので、上手い文章を投稿すれば自動で拡散されていきます。
農家さんの場合は、特にプレゼント企画を行うと一気に多くの消費者にリーチできますね。
LINE(ライン)
日本でもっとも多くの人に使われているSNS。
幅広い年代に使われているので、それだけ多くの人にアプローチしやすいです。
使い方としては「LINE公式アカウント(事業者向けのLINE)」を利用して、そこで消費者とメッセージを交換したり、あるいは商品販売情報・クーポン等を配信するのがオススメです。
LINEをうまく活用している農家さんは「LINEで1通メッセージを送るだけで作物が売り切れる状態」に至っています。
他のSNSと比較するとすこし難易度が高いですが、是非とも取り入れたいものです。
LINE公式アカウントについては、無料お役立ち資料「農作物ネット通販におけるリピーター獲得施策」にて詳しくお伝えしているので、よければご請求ください。
YouTube(ユーチューブ)
「動画」を投稿するSNS。
スマホの通信速度はどんどん早くなっています。
それに付随して「動画」を見る人が増えており、YouTubeの利用者も右肩上がりで増え続けています。
もはや若い世代(小中学生)はGoogleで検索をせず、検索はすべてYouTubeで行っているとか。
今後もこの流れは加速するので、今のうちにYouTubeに参入しておくと良いですね。
また、動画は他のSNSよりも「生産者の人柄を伝えやすい」という特徴があります。これによって他の農家さんとの差別化を図りやすいツールです。
特に「作物の栽培方法」を発信すると多くの人に見てもらいやすいです。
YouTubeについては「農業系youtuberの魅力とおすすめ農tuberまとめ」で解説しています。
Facebook(フェイスブック)
総務省のデータによると、50代以上の方にも利用されていることの多いSNSがFacebookです。
このことから高年齢者層をターゲティングしている農家さんは積極的に取り入れるべきSNSです。
また、企業の決裁権を持っている人もFacebookを活用しているケースが多いので、事業者むけの農作物を栽培している場合はFacebookを活用すると取引に繋がりやすいでしょう。
農業従事者がSNSを運用する際のポイント
SNSは始めてからが勝負です。実際に運用すれば分かりますが、意外とSNSは奥が深く、フォロワーを増やすことは容易ではありません。
このことから、せっかくSNSを始めたにも関わらず挫折して更新をストップしてしまう農家さんも少なくないのです。
ここではこのようなことが起こらないよう、SNS運用のポイントについて解説していきます。
ターゲットを決める
既述の通り、SNSを活用すれば全国の人にアプローチできます。
そのぶんターゲットをしっかり定めないと「誰にも刺さらないSNSアカウント」が出来上がってしまうのです。
また、運用するSNSもターゲット層によって異なります。(高年齢層がターゲットならFacebook・若い層がターゲットならYouTubeなど)
事前にしっかりターゲットを決めて、それを元に投稿内容を考えていきましょう。
それぞれのSNSの目的を決める
SNSを複数運用する場合は、それぞれのSNSの運用目的を定めましょう。
例えば以下の通り。
SNS | 運用目的 |
---|---|
農園の認知獲得 | |
短編動画を多めにして認知獲得×ファン獲得 | |
YouTube | 濃いファン向けに長編動画を投稿 |
LINE | 見込み客のみを集めてセールスをする |
とはいえ、あまりに多くのSNSを運用するのは大変なので多くとも3つまでに留めておくのが吉です。
宣伝は控えめに
消費者は「宣伝されること」を嫌います。そのため売上アップを目的としていても、宣伝は必要最小限にしましょう。
「人」の情報も積極的に発信する
上で述べた通り、SNSには「安心」を与えることができるメリットがあります。
このメリットを最大化するためにも、作物情報だけでなく「自分自身の情報」も積極的に開示しましょう。
どんな趣味があるのか・どんな経緯で就農したのか・どんな想いで営農しているのか…こんな情報を開示することで安心感を与えることができます。
また「生産者の顔が見えると安心する」という消費者の声も根強いので、少しハードルが高く感じるかもしれませんが、できれば自分が映った写真も積極的に載せたいところですね。
交流する
SNSはあくまで他者とのコミュニケーションツールです。
自分の投稿にコメントがついたら必ず返信しましょう。またできれば他者の投稿にも積極的にコメントしたいですね。
地味ではありますが、こうした交流の積み重ねが濃いファン作りには欠かせません。
農家さんが農業経営にSNS活用すべき理由と運用方法まとめ
以上、農家さんがSNSを活用するメリットと運用のポイントでした。
SNSは専門知識不要で気軽に始められるにも関わらずメリットが多いという素晴らしいものです。
しかしそのぶん参入者が多く「工夫」をしなくては伸ばすことが難しいのも一つの事実。
ぜひ本記事を参考にしてSNSの長所を最大限活かしてくださいね。