野菜・果物といった農産物のネット販売を始めるか迷うなあ。
実際のところ農家がネット販売して儲かるの?失敗したら嫌だからメリット・デメリットが知りたいな。
もし良い感じならネット販売を始めたいから、やり方も教えてほしい!
こんな方に向けた記事です。
- 農家さんによる野菜・果物ネット販売のメリットとデメリット
- 野菜・果物ネット販売に成功している農家さんの事例
- 事例から分かるネット販売で成功するやり方・コツ
この記事はWebに強い6次産業化支援団体、ファームコネクトが書いています。
通販支援、ホームページ制作、加工品開発支援など、農園の収益アップに関する様々なサービスを展開。
野菜で月次売上200万円、とうもろこしで日次売上100万円超えなど、多数の販売実績があり、行政とも提携している組織です
→ファームコネクトの事例紹介
本記事では、これからネット販売を始めようとしている人、ネット初心者の方に知ってほしい情報を網羅しています。
2分ほどで読みおわるので、失敗を避けるためにもぜひ読みすすめていただければ幸いです。
それでは参りましょう!
農家さんの野菜・果物ネット販売は儲かるの?メリットについて
- 売上がほぼ青天井になる
- 珍しい作物が売れやすい
- 届けられる情報量が多い
- 会計ミスが起きない
- 初期費用が抑えられる
最初に、農家さんがネット販売をするメリットについて。
大別すると上記5点がメリットといえるでしょう。
それぞれくわしく解説していきます。
ネット販売のメリットその1:売上がほぼ青天井になる
ネット販売をすると、「全国を相手に」「24時間自動で」作物を販売できます。
「24時間自動で」というところを補足すると、HPが自動で商品の魅力を伝えて、自動で決済まで行なってくれるから、という理由です。
「全国を相手に商売できる」「24時間自動で作物を販売できる」
この2点から、売上がほぼ青天井になるのがメリット1つ目です。
例えば私たちが運営している通販サイトも多い時には1日で50万円を売り上げますが、これって他の販路だとなかなか難しい数字だと思います。
ネット販売のメリットその2:珍しい作物が売れやすい
珍しい作物、品種が高単価で売れやすいです。
一例を出すと、ぷちぷよというトマトを私たちがネット販売したところ、1kg3,000円という割と高値で販売したにもかかわらず全量を完売できました。
もともと、生産者様から「ぷちぷよは農協に卸すと安すぎるからネット販売したい」という要望をいただいて販売したので、これにはお喜びいただけました。
他にも、梨の珍しい品種とか、とうもろこしの珍しい品種とか、こういったスーパーでは見られない作物が高単価で売れるのがネット販売の魅力です。
ネット販売のメリットその3:消費者に野菜・果物を直接届けられる
消費者に農産物を直接届けられることで、以下の具体的メリットが生じます。
- 作物あたりの利益が増える
- 新鮮な状態で届けられる
- 直接コミュニケーションが取れる
それぞれ解説していきますね。
作物あたりの利益が増える
直接消費者に作物を届けられるので中間マージンを抜かれません。
そのため、農産物を販売した際の利益率がアップしますし、言い値で販売できるので市場の相場に左右されず、安定した収益を得られます。
新鮮な状態で届けられる
市場を経由せず消費者に作物を届けられるため、より美味しい状態の作物を召し上がっていただけます。
さつまいもなど、作物によっては収穫後に貯蔵しておいたほうが糖度が上がるものもありますが、そういった作物もご自身の目利きで最適なタイミングでお届けできるのです。
直接コミュニケーションが取れる
「おいしい食べ方」や「こだわり」等を消費者に直接伝えられます。
作物をそだてた際のストーリー、どんな想いで営農しているのかといったことを伝えることで、消費者にとっても作物が特別なものに感じられるでしょう。
また、「農家さん⇨消費者」への情報伝達だけではなく、「消費者⇨農家さん」のコミュニケーションも可能になります。
ようするに、消費者から直接感想をいただくことが可能となるのです。
お喜びの声を聞けることが大きなメリットでしょう。
ネガティブな意見を頂戴することもあるかもしれませんが、そういったご意見をもとに改善を重ねることで、より良い農園経営ができるようになります。
以上が直販による具体的なメリットです。
ネット販売のメリットその4:24時間自動で野菜・果物を販売できる
インターネット(ホームページ)は24時間無休であなたの農園の魅力を伝えつづけ、さらに会計までおこなってくれます。
あなたが畑に出ているあいだも、テレビを見ているあいだも、常に働きつづけてくれます。
つまりインターネットを使うことは、疲れ知らずの営業部隊を手にいれるようなものです。
営業相手は日本全国。人件費もゼロ。
うまく活用すれば、インターネットが自動で魅力を伝えてくれて、自動で商品を販売してくれて、自動でリピート販促してくれる…という状態に持っていくことが可能です。
直売所だとどうしても接客の必要がありますし、無人販売だと売上の上限があります。
売上に上限が(ほとんど)なく、効率化もしやすいネット販売は魅力的な販路といえますね。
農家さんの野菜・果物ネット販売は儲かるの?デメリットについて
メリットがたくさんあることはわかったし、すごく魅力的だけど、実際そんなに美味しい話があるものなの?デメリットもあるでしょ?
こんな方にむけて、次はデメリットをお伝えします。
- 慣れるまでが大変
- ライバルが多い
- マイナスの意見が届くこともある
結論、これら3点がネット販売のデメリットです。
ネット販売のデメリットその1:慣れるまでが大変
- 野菜・果物の梱包
- 送り状、伝票の作成
- ホームページの更新作業
- SNSなどでの広告宣伝
ネット販売では上記のようなことが必要となってきます。
慣れてしまえば難しくないですが、慣れるまでは作業に数時間かかることも。
本格的にネット販売を収益の柱にするならば、ある程度マメに更新することが要求されます。
ネット販売のデメリットその2:ライバルが多い
ネット販売には「同じ作物をネット販売している全国の生産者様がライバルになる」というデメリットがあります。
そのなかにはメディア出演多数、人手も多い農業法人なども含まれるので、ネット販売で収益を伸ばすには一定のマーケティングスキルが必要となります。
ネット販売のデメリットその3:マイナスの意見が届くことも
メリットの部分でも触れましたが、消費者からネガティブな感想が届く可能性もあり、これがネット販売(直販)のデメリットといえるでしょう。
農家さんによる野菜・果物のネット販売やり方:儲かるのはどれ?
ネット販売にはいろんな側面があるんだなあ。デメリットも多いけど、メリットがすごく魅力的だしネット販売をはじめてみようかなあ。
このような方にむけて、ここからは具体的なネット販売の始め方、方法をお伝えします。
始めるハードルが低いものから順に述べていくので、ネット販売を考えている方はぜひ読みすすめてみてください。
ネット販売のやり方その1:メルカリで野菜・果物を販売
もっとも手軽に始められるのが、メルカリを活用した方法です。
商品紹介の文章および写真を用意すればすぐに出品できるので、「ネットでモノを売る感覚」を身につけるのに最適です。
メルカリのメリット
- とにかく手軽に始められる
- 利用者が多く売れやすい(集客がほぼ不要)
- フォロワーが増えれば売上安定につながる
メルカリのデメリット
- クール便が利用できない
- 配送料に加えて売上の10%が手数料として徴収される
- 他の商品と比較されやすく価格競争に陥りやすい
- 商品紹介ページのカスタマイズ性が低い
- 商品が売れるたびに購入者とメッセージを取り合ったり、1件1件送り状を作成する必要があり、手間がかかる
メルカリについて詳しくは「メルカリの野菜販売って儲かるの?注意点や成功法を経験者が解説」をご覧ください。
ネット販売のやり方その2:産直サイトで野菜・果物を販売
食べチョクやポケットマルシェといった産直サイトを活用するのも手です。
産直サイトのメリット
- 利用者が多く売れやすい(集客がほぼ不要)
- 配送料が消費者負担のケースが多い
- 生鮮品に特化しているため、利用方法がマニュアル化されており初心者でも分かりやすい
産直サイトのデメリット
- 手数料が15~19.7%と高め
- 他の生産者と比較されやすく価格競争に陥りやすい
- 商品紹介ページのカスタマイズ性が低い
ネット販売のやり方その3:大手ECサイトで野菜・果物を販売
Amazonや楽天といった、大手ECサイトを活用する方法です。
圧倒的な利用者の多さが特徴。しかし、集客力があるぶん手数料も高めな傾向です。(各ECサイトにより異なります)
大手ECサイトのメリット
- 圧倒的な利用者の多さ(集客が不要)
大手ECサイトのデメリット
- 手数料が高め
- 他の商品と比較されやすく価格競争に陥りやすい
- 検索上位表示するために、一定の専門知識が必要
ネット販売のやり方その4:ネットショップ作成サービスで野菜・果物を販売
STORESやBASEを活用してネットショップを作成するのも手です。(費用・機能面でSTORESの方がオススメ)
簡単におしゃれなショップが出来あがりますし、無料のプランがあるので手を出しやすいのがメリット。
また、自分でクーポンが発行できるなど多彩なシステムが利用できます。
ただ、集客は自分次第となってしまうのが難点です。
自身でSNS等を通して集客しなくてはいけないので、手間と時間がかかります。
ネットショップのメリット
- デザインのカスタマイズ性が高い
- 他の生産者と比較されないため価格競争に陥りにくい
- 手数料が抑えられる
ネットショップのデメリット
- 自力での集客が必要
ネット販売のやり方その5:農家さんのホームページで野菜・果物を販売
農園のホームページを制作すれば、デザイン自由・他の生産者と比較されない・手数料を抑えられるといったメリットがあります。
また、農園のブランドを確立しやすい点もメリットですね。
デメリットとしては一定の初期費用がかかることと、自力での集客が必要なことが挙げられます。
デメリットもありますが、やはり直販をする以上、農園のブランドは欠かせないものですので、もしも本気でネット販売を収益の柱の一つとするのであれば制作をおすすめします。
ホームページのメリット
- デザインの自由度がもっとも高い
- 農園のブランド確立につながる
- 他の生産者と比較されにくい
- 手数料が抑えられる
- 販売以外の部分にも役立つため費用対効果が高い(採用・取引先開拓・Web上の名刺代わりなど)
ホームページのデメリット
- 自力での集客が必要
- 初期費用がかかる
ちなみに、ホームページについては以下の記事が参考になります。
農家さんの野菜・果物ネット販売は儲かるの?成功事例について
ここからは、実際にネット販売で儲けている農家さんの事例をみていきましょう。
何事もそうですが、最短で成功するには成功例を研究し、真似するのが一番です。
ネット販売の成功事例その1:K農園さま
ファームコネクトのお客様の野菜農家さまです。
もともと、ご自宅前の無人直売所とJAヘの出荷のみでしたが、ファームコネクトと契約して新たにネット販売を開始しました。
ネット販売開始から1ヶ月で野菜セットを1日で102セット売り上げ、日次売上29万円をマーク。
その後も枝豆を1日で260kg(売上38万円)、とうもろこしを2時間で1,000本以上(売上100万円超え)を販売するなど、多くの販売実績を残しておられます。
この「読売新聞」「東京新聞」「昼めし旅」「相葉マナブ」といった大手新聞、テレビ番組への出演も果たしており、農園のブランドも色濃くなっております。
ネット販売の成功事例その2:U農園さま
ファームコネクトのお客様の果樹農家さまです。
開園3年目の新規農園でして、もともとはJAへの出荷のみでした。
新たにネット販売を開始したところ、「紅まどんな 農家直送」の検索キーワードで上位表示を達成。
月次売上150万円となりました。(その時点で販売停止)
※画像の売上金額に加えて電話注文が54万円分ありました。
このほか、2件の法人注文を獲得のほか、大手百貨店カタログギフトへの掲載、東証一部グループ企業との新規取引も開始する運びに。
この他のネット販売成功事例はこちらのページからご覧いただけます。
農家さんの野菜・果物ネット販売は儲かるの?成功事例から分かる成功のコツとは
上に掲載したもの以外にも、ファームコネクトは多数の農園のネット販売を支援して、販売実績を残してきました。
また、リサーチの一環で、他のネット販売している農園についても定期的にチェックしております。
その結果、ネット販売で成功している農園の共通点として、下記のものが挙げられると結論付けました。
- LINEを効果的に活用している
- 梱包に力を入れている
- 魅力的なホームページがある
ネット販売においてLINEを効果的に活用している
LINEには、「LINE公式アカウント」というビジネス用のアカウントがあります。
LINE公式アカウントを使うと、お客さまに販売状況やお役立ち情報等のメッセージを送れるようになります。
ファームコネクトもフル活用しているツールですが、やはり周囲をみても、ネット販売で成功している農園はLINE公式アカウントを使用しているケースが多いですね。
ネット販売に限らず、直販であればどの販路においても強力なツールなので、ぜひ活用してみてください。
ちなみに、LINE公式アカウントの活用方法については、ファームコネクトのお役立ち資料「農作物ネット通販におけるリピーター獲得施策集」にて解説しています。
梱包に力を入れている
梱包(ダンボール・パッケージ・同封するパンフレット)はお客さまの満足度に直結してくる重要な要素です。
極論、商品の味が多少悪くても梱包が綺麗であれば満足されるものなのです。
一方で、どれだけ商品の質が良くても梱包が悪ければ満足していただくこともできません。
単価の低い農作物(特に野菜)で梱包に力を入れることは難しいかもしれません。
特にダンボールの印刷は非常に高価です。
そんな時におすすめなのが、ダンボールに農園のオリジナルロゴシールを貼ることです。
シールであれば安価ですし、十分良い見た目になりますし、満足度も高いです。
魅力的なホームページがある
ネット販売において、ホームページのクオリティは最重要です。
直販においてもっとも手間がかかるのが集客なのですが、
「閲覧者の10人に1人が購入するホームページ」と「閲覧者の10人に2人が購入するホームページ」があれば、後者は集客の手間が半分になります。
そのぶん広告費も最小に抑えられるでしょう。
ホームページが魅力的であれば、メディア出演依頼が届いたり、取引先が増えたりして、農園のブランドが確立されやすくなり、高単価での販売が可能となります。
・集客の手間と費用を抑えることができる
・ブランドを確立しやすくなる
これらの理由からホームページには注力すべきですし、事実としてネット販売でうまくいっている農園は魅力的なホームページを持っています。
農家さんによる農作物のネット販売まとめ
ネット販売は始めることも、売上を伸ばすこともハードルが高い販路。
しかし、うまくいけば、手間を減らしつつ売上を青天井に伸ばせる最高のメソッドです。
ぜひ導入をご検討くださいませ。