いきなり専業で就農するのはリスクがあるから、まずは兼業で農業をやってみたいけど、大変そうだな。
兼業農家のメリットやデメリットを知りたいし、兼業農家になる際にやるべきことを教えてほしい。
こんな方に向けた記事です。
- そもそも兼業農家とは?
- メリットとデメリット
- 兼業農家って稼げるの?
- 兼業農家になる具体的な方法は?
この記事は農園のWeb活用支援団体ファームコネクトが書いています。
ネット販売の代行、ホームページ制作、クラウドファンディング支援など、農業特化のWeb事業として様々なサービスを展開しています。
野菜で月次売上200万円、とうもろこしで日次売上100万円超えなど、多数の販売実績があり、行政とも提携している組織です。
→ファームコネクトの事例紹介
今回は、上記の活動を通して多くの農家さんから話を聞いた結果をもとに、兼業農家について述べていきます。
そもそも兼業農家とは?
兼業農家とは、その名のとおり「農業以外の仕事と兼業している農家」のことです。
農林水産省によると、兼業農家には以下の2種類があります。
- 第一種兼業農家
- 第二種兼業農家
第一種兼業農家とは?
第一種兼業農家とは「農業所得の方が兼業所得よりも多い兼業農家」のことです。
つまり、農業でメインの収入を得て、農業以外で副業収入を得ている方を指します。
第二種兼業農家とは?
第二種兼業農家とは「兼業所得の方が農業所得よりも多い兼業農家」のこと。
つまり、普段はサラリーマンや自営業で収入を得ており、空いた時間や週末を活用して農業を営んでいる方々を指します。
これから就農を考えている人はこの第二種兼業農家になって、ノウハウを貯めてから専業農家になるのがいいかもしれません。
兼業農家のメリット
兼業農家の定義についてお伝えしたところで、兼業農家のメリットについて述べていきます。
2点あるので、順に述べていきますね。
兼業農家のメリットその1:収入が安定している
最大のメリットです。
農業は市場相場や天候によって収入にバラツキがあります。
仮に専業農家であれば、収入の変動は生活に大きな影響を及ぼします。
しかし、サラリーマンとして安定した収入を確保しておけば、その心配もありません。
また、農業はとにかく初期費用が高いのが大きな問題点。
兼業農家として働いて収入源を複数確保しておくことで、その問題点を緩和することができます。
兼業農家のメリットその2:マイペースに農業を楽しめる
上で述べたように本業で収入が安定しているからこそ、血眼になって農業に取り組む必要がありません。
自分のペースで純粋に農業を楽しむことができます。
生活がかかっていないことによる「精神的余裕」が兼業農家の魅力です。
その結果、自分なりに「実験」をすることも可能なので、より良い栽培方法を探求したり、本業収入を活用して加工品の開発に着手することも可能です。
兼業農家のデメリット
魅力的に思える兼業農家ですが、デメリットも存在します。
こちらも2点あるので、それぞれ解説していきますね。
兼業農家のデメリットその1:中途半端になってしまう可能性がある
兼業農家の場合、本業がいそがしくなってしまい、どうしても農作業が難しいという状況が生じかねません。
肥料・水が与えられなかったり、最適な収穫時期を逃してしまうことも。
せっかく大切に育てたのに、大事な場面でコミットできないのは悔しいですよね。
「兼業農家をやっていたけど、中途半端になってしまい、そのままモチベーションが下がり農業から離れてしまった…」なんて方にも実際にお会いしたことがあります。
デメリットその2:体力が必要
本業をおこないつつ休日に農作業をするので、ほぼ休みがなくなってしまいます。
実際、あぐりナビさんの調査によると、40%もの兼業農家が休みなしで働いているそう。
農作業自体もかなり重労働ですので、一定の体力が要求されるでしょう。
もちろん規模にもよりますが、よほど農業への愛情がないと両立させていくのは難しいといえます。
兼業農家って稼げるの?
一概に稼げるとは言いがたいのが実情。
農業は成果主義であるため、しっかりと収入を得るには相応の量を栽培する必要があるからです。
もちろん、少量であっても言い値で売れる販路(ネット販売・無人販売・直売所)を活用することで、収入を増やしていくことは可能です。
ちなみに兼業農家の平均収入は以下のとおり。
農業経営統計調査調べによると、平成26年度の兼業農家の年収は516万円でした。また、専業農家は633万円、副業農家400万円という結果が出ています。
みんなのキャリア相談室
兼業農家の始め方
いざ「兼業農家を始めよう」と考えても、具体的に何をすればいいのか分からないですよね。
そういったときは専門家を活用していきましょう。
新規就農相談センター
農林水産省に新規就農相談センターがあるので、そちらで相談することをオススメします。
農家さんになるには何をすべきか、必要なモノは何か、などなどすべて相談にのってくれます。
全国各地にありますので、お近くのセンターに行ってみてはいかがでしょうか?
市町村の役所
各市町村に、農水産課と呼ばれる(場所によって名前は様々です)農業に関する役所があります。
就農に必要なことだけでなく、補助金のことも教えてくれます。
新規就農する際には1年間に最大150万円の補助金が出る場合もあるので、この機会に役所の方に相談してみてはいかがでしょうか?
新規就農者むけの補助金については、以下の記事でも解説しているのでよければ参考にしてみてください。
農家さんに聞いてみる
実際に脱サラ就農されている方に聞くのが一番確実ですし、気軽に聞けますよね。
まわりに農家さんがいれば聞いてみることをお勧めします。
農業の良し悪しを教えてくれますし、栽培方法などについてもサポートしてくれることでしょう。
兼業農家のメリットデメリットまとめ
以上、兼業農家のメリット・デメリット、および始め方でした。
メリットとデメリットそれぞれを加味して就農するかどうかを決めてみてはいかがでしょうか?
本記事が少しでも参考になれば幸いです。