農業に興味があるんだけど、いろいろな栽培方法があってよく分からない。
露地栽培というものが主流らしいから、まずは露地栽培について知りたいな。
すでに露地栽培している農家さんから、実際のメリット・デメリットを聞けたら嬉しい。
こんな方に向けた記事です。
- そもそも露地栽培とは?
- 施設栽培との違い
- 露地栽培のメリットデメリット
この記事は農園のWeb活用支援団体ファームコネクトが書いています。
通販支援、ホームページ制作、SNS運用支援など、農業特化のWeb事業として様々なサービスを展開しています。
野菜で月次売上200万円、とうもろこしで日次売上100万円超えなど、多数の販売実績があり、行政とも提携している組織です。
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今回は、上記の活動を通して関わってきた農家さんにヒアリングした内容をもとに、露地栽培のメリット・デメリットを紹介していきます。
それでは参りましょう!
そもそも露地栽培とは?
露地栽培とは、「屋外の畑にて人工的な設備をほとんど使わずに作物を栽培すること」です。
自然の環境を活かすものですね。
「農業」と聞いて、多くの人がイメージするのが露地栽培でしょう。
一方、ハウスやガラス温室を使い、人工的な環境で栽培する手法を「施設栽培」といいます。
施設栽培の特長は以下の3点。
- 旬に左右されず安定した収穫量を見込めること
- 天候不順といった外的な影響を受けにくいこと
- 最先端の設備を取り入れて効率化しやすいこと
くわしくは「施設栽培に関心がある農家さん向けにメリット・デメリットをまとめました」で解説しています。
露地栽培のメリット
露地栽培のメリットをお伝えしてきます。3点あるので、順に解説していきますね。
露地栽培のメリットその1:コストを抑えられる
施設栽培と比べて、コストを大幅に削減できます。
投資回収スパンが短いので、失敗のリスクを減らせるのです。
コストがかからないぶん農地を拡大しやすい点もメリットですね。
施設栽培と比べると、同じ予算でも、より広い作付け面積を活用できます。
露地栽培のメリットその2:大規模な自然災害の被害を抑えられる
施設栽培ですと、大規模な災害(地震・大雪)が起きて設備がダメージを負った場合に、多額の復興費用が必要となります。
ファームコネクトのお客さまにも地震の影響でハウスが倒壊してしまった農家さんがおり、設備を復旧しているあいだはほぼ無収入になってしまったとのことでした。
露地栽培であれば、その被害を最小限に抑えられます。
露地栽培のメリットその3:多品目栽培ができる(栽培作物の自由度が高い)
上でも述べたとおり、施設栽培のメリットとして「年間を通して安定した収量が見込める」ことが挙げられます。
この長所を最大限いかすことが目的だったり、設備自体が特定の作物専用のもの(例:トマト専用の灌水設備)だったりすることから、施設栽培をしている農家さんは栽培作物を変えにくいケースが大半です。
一方、露地栽培は旬にあわせて栽培作物を変えることが多く、基本的に多品目栽培です。
栽培作物の自由度が高いこと、それによる柔軟性の高さがメリットです。
このメリットの結果、連作障害を避けられるという副次的なメリットもあります。
露地栽培のデメリット
露地栽培のデメリットは以下の3点です。
- 施設栽培よりも多くの経験と知識が必要
- 外的影響を受けやすい
- 出荷時期をコントロールできない
それぞれ解説していきます。
露地栽培のデメリットその1:施設栽培よりも多くの経験と知識が必要
旬によって育てる作物が変わるので、それだけ多くの知識が必要です。
また、毎年の天候によっても最適な栽培手法が異なることから、クオリティが高い作物を大量生産するには、施設栽培以上の経験が必要なのです。
デメリットその2:外的影響を受けやすい
天候不順・病害虫といった外的な影響を受けやすいことがデメリット。
天候次第で収入に振り幅が生じてしまいます。
対策としては、直販の販路を開拓しておくことが挙げられます。
作物の販路については「【保存版】野菜・果物など農作物の売り方まとめ」にまとめているので、よければ参考にしてみてください。
デメリットその3:出荷時期をコントロールできない
農作物は、旬と少しズレた時期に市場単価が上がりやすいです。(供給が減るため)
ハウス栽培なら、促成栽培をして、あえて旬をずらし、市場単価が高い時期に出荷できたりします。
一方、露地栽培だとコントロールが難しい点がデメリットです。
露地栽培のメリットデメリットまとめ
以上、露地栽培のメリットとデメリットでした。
まとめると以下の通りです。
露地栽培のメリット
- コストを抑えられる
- 大規模な災害の被害を抑えられる
- 栽培作物の自由度が高い
露地栽培のデメリット
- 施設栽培よりも多くの経験と知識が必要
- 外的影響を受けやすい
- 出荷時期をコントロールできない
それでは、ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。
本記事が少しでも参考になれば幸いです。