最近アグリテックって言葉をよく見聞きするなあ。
農業とIT関連であることは分かるけど、詳しくはよく分からないから教えてほしい。
ついでに有名なアグリテックのスタートアップ企業も教えてほしいな。
こんな方に向けた記事です。
- そもそもアグリテックとは?
- 日本のアグリテックベンチャー企業一覧
- 海外のアグリテックベンチャー企業一覧
この記事は農園のWeb活用支援団体ファームコネクトが書いています。
ネット販売の代行、ホームページ制作、クラウドファンディング支援など、農業特化のWeb事業として様々なサービスを展開しています。
野菜で月次売上200万円、とうもろこしで日次売上100万円超えなど、多数の販売実績があり、行政とも提携している組織です。
→ファームコネクトの事例紹介
今回は、生産者様や拓殖大学の竹下教授にヒアリングした内容をもとに、上智大学理工学部機械工学科出身の村瀬が、国内外のアグリテックベンチャー企業を紹介していきます。
そもそもアグリテックとは?
アグリテックとは、アグリカルチャー(agriculture)とテクノロジー(technology)を組み合わせた造語です。
IT、ICT、バイオテクノロジー技術、無人ロボット、ドローン、高性能のハウス栽培などなど、アグリテックが示す範囲は広いですが、簡単にいえば「最先端の技術を用いて農業をする」こと。
類語に「スマート農業」があります。
矢野経済研究所の資料によると、国内の農業×テクノロジーの市場は年々拡大していく見通しとなっております。
ここからは、アグリテック市場の伸長を支える国内外のスタートアップ企業を10社ご紹介していきますね。
日本のアグリテックITベンチャー企業5選
まず、国内の有名なアグリテックベンチャー企業を見ていきましょう。
どれもITを活用して革新的なサービスを提供しており、導入すれば農作業が簡素化すること間違いなしですし、企業による農業参入の強力な味方となるでしょう。
日本のアグリテック企業その1:イナホ
作物のピッキング(収穫)をしてくれるロボットを製造している企業。
収穫はかなりの重労働。ロボットがおこなってくれると楽になりますね。
現在はアスパラガスがメインですが、今後はキュウリ・トマト・ナス・ピーマン・いちご等も収穫できるようになるとのこと。
初期費用が一切かからず、完全成果報酬型で利用できるプランがありますので是非チェックしてみてください。
注目のスタートアップです。
→ イナホ
日本のアグリテック企業その2:ヤンマー
農業用機械を製造しているスタートアップ。
ヤンマーが製造している機械の中でも、特にトラクターが最先端の技術を誇っており、アグリテックの農機器に含まれるといえます。
トラクターに乗車することなくタブレットで操縦を管理でき、GPSにより数cm単位でコントロールが可能です。
大規模農業に取り組んでいる農業法人は是非とも取り入れたい最先端のITテクノロジーです。
→ ヤンマー
日本のアグリテック企業その3:みどりクラウド
圃場の情報を一括管理できるソフトを開発しているスタートアップ。
温度・湿度・日射量だけでなく、土壌内の水分率や肥料含有率といった細かい情報まで把握できます。
IT活用によって今まで感覚的に取り組んでいた部分を数値化でき、農業を見える化できるのがメリット。
→ みどりクラウド
日本のアグリテック企業その4:オプティム
ドローンを使った農薬・肥料散布に効果的なサービスを提供しているスタートアップ。
AIによる画像解析で農薬・肥料の散布量を管理できるため、作業の効率化はもちろん経費の削減につながります。
散布量を調整できることによって農作物の品質も均一にできる点もメリットですね。
→ オプティム
農業用ドローンについては「農業用ドローンが対象の補助金3選!ドローンの用途も含めて初心者向けに解説」もオススメです。
日本のアグリテック企業その5:ファームノート
畜産業に特化したサービスを提供しているITベンチャー企業。
牛の1日の発情・繁殖・治療・移動・肥育成績を管理できます。
畜産農家さんは何千もの牛を飼育することも少なくないですよね。
膨大な牛の状態をデータに落とし込むことで一気に検索することができるので、大幅に効率化できます。
全国で4600人以上もの畜産農家さんが導入しており、44万頭もの牛がファームノートにて管理されています。
ファームノートはものづくり日本大賞において最高位の内閣総理大臣賞を受賞したほか、日本ベンチャー大賞の農林水産大臣賞を受賞するなど、注目を集めている企業です。
→ ファームノート
海外のアグリテックITベンチャー企業5選
次に、海外のアグリテック企業を紹介していきます。
日本と比べ、海外の方が農業が発展していると伺いました。
ぜひ最先端のアグリテックをチェックしてみてください。
海外のアグリテック企業その1:Plenty(プレンティ)
生産者様向けにサービスを提供しているのではなく、自社で作物を栽培している企業で、アメリカに本社があります。
農産物をすべてデータ管理し、水耕栽培しているのが特徴。
主力作物はケールやレタスで、土を一切使わず、ミネラルと少しの水だけで栽培しているとのこと。
また、ミネラルと水の量を調整することで風味をコントロールできるそうです。
水も通常の露地栽培と比べ1/20しか使っておらず、サステナブルな栽培をしているベンチャー企業です。
→ plenty
海外のアグリテック企業その2:Priva(プリバ)
オランダのITベンチャーです。オランダは九州と同じくらいの国土ですが、農業がとても盛ん。
私たちの知り合いの農家さんにも「オランダに農業視察に出向いた」という方が多いです。
Privaも生産者様向けにサービスを提供しているのではなく、自社で作物を栽培しているのが特徴。
光・気温・二酸化炭素・湿度など天候に左右される要因をすべてITで管理して栽培しているとのこと。
従業員も500人以上在籍しており、急成長している企業です。
→ Priva
海外のアグリテック企業その3:Ubiqutek(ユビクテック)
イギリスの企業。除草剤を一切使わずに雑草を処理できる機械を製造しています。
除草剤の使用は環境にあまり良くないと言われているので、サステナブルな農業に寄与していますね。
長い棒の先から電流が流し、熱で雑草を死滅させるそうです。
→ Ubiqutek
海外のアグリテック企業その4:FarmLogs(ファームログス)
農場・作物管理ができるアプリを提供しているアメリカのIT企業。
2011年創業と比較的新しい企業ですが、5万以上もの生産者様が利用しているほど人気なアプリ。
農場や農作物の状態を一括管理できたり、市場の値段が把握できるといった、農業を包括的にサポートするのが特徴です。
農業に役立つアプリについては「農業もアプリで効率化!おすすめ10選【完全無料】」でもご紹介しているので、ご参考ください。
海外のアグリテック企業その5:Impposible Foods (インポッシブルフーズ)
アメリカのアグリテック企業。植物を育て、そこからタンパク質を抽出し、人工肉を製造しています。
ベジタリアンやヴィーガン向けのサービスと言えますね。
→ Impossible Foods
日本・海外のアグリテック企業まとめ
以上、国内外のアグリテックITベンチャー企業を紹介してきました。
農業も着々とITテクノロジーの進化が進んでいますね。
今はまだアグリテックが一般的に普及しているイメージはないですが、今後どうなるかは正直予想が難しいところです。
積極的に情報を追っていく姿勢が大切と言えるのかもしれません。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
本記事が少しでも参考になれば幸いです。