資材が高騰してる一方で野菜の売価は上がらなくて生活が苦しい。
農協を通さずに消費者に直接販売してみたいんだけど、具体的にどんな販路があるのかな。
あと、農協を通さないデメリットがあったら教えてほしい。
こんな方に向けた記事です。
- 農協を通さないデメリットとメリット
- 農協を通さない販路一覧について
この記事は農園のWeb活用支援団体ファームコネクトが書いています。
ネット販売の代行、ホームページ制作、クラウドファンディング支援など、農業特化のWeb事業として様々なサービスを展開しています。
野菜で月次売上200万円、とうもろこしで日次売上100万円超えなど、多数の販売実績があり、行政とも提携している組織です。
→ファームコネクトの事例紹介
今回は、実際に農家さんから聞いた、農協を通さないメリットデメリットについて解説していきます。
農家さんが農協を通さないで作物を売るデメリット
- 手間がかかる
- 売れ残りが生じる可能性がある
- クレームが届く可能性がある
農家さんが農協を通さずに作物を販売する場合、これらのデメリットが生じます。
農協を通さないデメリットその1:手間がかかる
通常、農協に作物を出荷さえすれば対応してもらえるので、自分は農作業に集中できます。
しかし農協を通さない場合、自分で販売する必要があるので、手間が増えてしまうというデメリットが。
具体的には、直売所やネットショップに作物を陳列したり、お客さま対応したり、梱包の手間がかかります。
農協を通さないデメリットその2:売れ残りが生じる可能性がある
通常、質の良い作物であれば農協に出荷してしまえば売れ残る心配はありません。
すべてがキャッシュになります。
しかし、農協を通さずに販売した場合、質の良い作物でも売れ残りが生じる可能性があります。
農協を通さないデメリットその3:クレームが届く可能性がある
消費者からクレームが届く可能性があります。クレームを改善点と捉えられる人はいいですが、必要以上にネガティブに捉えてしまう人にとっては無視できないデメリットでしょう。
他にも、もし農協と完全に縁が切れてしまった場合、農業機械のメンテナンスや補助金申請等のサポートが受けられなかったり、地域によっては周囲の生産者様から良く思われなかったりするなど、人間関係のデメリットも生じかねないでしょう。
しかし、「昔なら消費者への直販は考えられなかったけど、近ごろは農協側も寛容になっている」という声も多々ありました。
農家さんが農協を通さないで作物を売るメリット
以下の通りです。
- 農作物の売価が安定する
- 農園のブランドができる
- 消費者から喜びの声が直接届く
- 栽培のこだわり、農園の強み等を直接消費者に伝えられる
農家さんが農協を通さないで売る販路
結論、農協を通さない販路は下記の通り。
- (農園の)直売所
- 無人販売所
- ネット販売
- 移動販売
- 小売店、飲食店などの事業者
農協を通さない販路その1:(農園の)直売所
一つ目は直売所です。近郊農業でよく見られる販路です。
立地や天候によって売上が左右されやすい、接客が必要で手間を取られる、設備を整えるのに初期費用が必要といったデメリットがあります。
しかし、もっとも消費者との関わりが深い販路ですので、サービス次第では固定客を掴みやすいというメリットがあります。
私たちの知り合いの梨農園には、3代にわたってご愛顧いただいているお客様もいるそうです。
農協を通さない販路その2:無人販売所
もっとも手間がかからないのが無人販売です。
商品を陳列しておけば、あとは自動で売れていきます。
デメリットとしては、立地や天候によって売上が左右されやすいこと、そして盗難リスクが挙げられますね。
無人販売については「野菜の無人販売を始める方法と許可の有無まとめ【経験者にインタビュー】」で詳しく解説しておりますので、よければご覧ください。
農協を通さない販路その3:ネット販売
ネット販売については下記で解説しています。
ネットに疎い方には難しい、成功するには一定の初期費用をかけて本格的に取り組む必要があるといったデメリットがありますが、
全国を相手に商売できるので売上に(ほぼ)上限がない、システムが自動で会計等をおこなってくれるので接客の手間がかからないといったメリットがあります。
農協を通さない販路その4:移動販売
接客の手間が必要だったり、一定の初期費用がかかりますが、お客様がたくさんいる場所(需要がある場所)に臨機応変に出店できるという強みがあります。
移動販売については「【農家さん向け】野菜移動販売の開業に必要なもの・成功法を解説!」で詳しく解説しています。
農協を通さない販路その5:小売店、飲食店などの事業者
スーパーやコンビニ、道の駅といった小売店や、飲食店に作物を卸すことも可能です。
小売店の場合は店舗までの発送のほか、店によっては袋詰めやラベル貼り等もする必要があるので少し手間がかかりますが、手頃な手数料で販売を代行してくれます。
ちなみに、他の販路については「野菜・果物など農作物の売り方・販売ルートまとめ」で解説しています。
農家さんが農協を通さないで売る販路まとめ
以上、農家さんが農協を通さないで作物を売るメリットとデメリット、販路一覧でした。
農協を通さないで販売することによるメリットは多々ありますが、デメリットがあることも一つの事実。
農協とうまく付き合いつつ、それ以外の販路も少しずつ開拓していくのがベストな方法かもしれませんね。
私たちも、農協さんの手厚いサポートを受けた方が農業経営にとってプラスであるケースが多いため、正直なところ100%直販は推奨していません。(もちろん農園にもよりけりですが)
地域によっても農協さんのサポート具合が異なるので、各生産者様が自身の環境を考慮して最適な販路やそれぞれの比率を見つけていくべきでしょう。