就農にあたって個人事業主になろうと思うんだけど、屋号ってどうしたらいいかな?
農業法人のネーミングなど、名前を決める際の注意点を教えてほしい。
こんな方に向けた記事です。
- そもそも屋号は必要なのか?
- 農家さんが屋号をつける際の注意点
- どうしても思いつかない時の対処法
この記事は農園のWeb活用支援団体ファームコネクトが書いています。
ネット販売の代行、ホームページ制作、クラウドファンディング支援など、農業特化のWeb事業として様々なサービスを展開しています。
野菜で月次売上200万円、とうもろこしで日次売上100万円超えなど、多数の販売実績があり、行政とも提携している組織です。
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さて、今回は私たちが現役農家さんや、提携している農業法人にインタビューした内容をもとに「農家さんの屋号」「農園のネーミング」について解説していきます。
農家さんが個人事業主になるとき屋号は必要なのか?
結論から述べると、屋号は必須ではありません。
開業届に屋号を記入する欄があるのですが、実は空欄でも構わないのです。
いったん屋号の部分は空欄で開業届を提出して、あとから屋号をつけることも可能です。
とはいえ、屋号があった方が事業内容について知ってもらいやすいので、極力つけておくことを推奨します。
ちなみに屋号は後から変更可能です。
企業名等と比べると、屋号は規則が緩いです。
「自分の事業内容について知ってもらいやすくするもの」程度の位置付けであり、必須ではありません。
農家さんが屋号をつける際の注意点
農業の屋号の場合、屋号=農園名となるケースが多いです。
そのため、屋号を使う機会は多岐にわたります。
名刺・事業用の口座・領収書・契約書・直売所の看板・請求書・ネット販売するならHPの特定商取引法の欄など…
そのため、いくら屋号は後から変えられるとはいえ、変えると面倒です。
基本的には二度と変えないつもりで屋号を考えることを推奨します。
…ということで、ここでは屋号をつける際の注意点について述べていきますね。
結論から述べると以下の3つが注意点といえるでしょう。
- 読みやすいものにする
- 他と重複しないように
- 作物の名前は使わないようにする
それぞれ解説していきます。
農家さんが屋号をつける際の注意点その1:読みやすいものにする
既述のとおり、屋号は事業内容を知ってもらいやすくするもの程度の位置付け。
そのためあまりに難解な漢字だったり、あるいは音読みか訓読みか迷ってしまうような屋号は避けたほうがベターです。
領収書の宛名を店員さんに書いてもらうといった場合も面倒ですからね。
商売的にも、実用的にも屋号は極力シンプルで読みやすいものにすると良いでしょう。
農家さんが屋号をつける際の注意点その2:他と重複しないように
他の農園と屋号が重複していると、インターネットで検索した時に「他の農園ばかりが出てきて自分の農園が出てこない」という事態に陥ります。
原則的にインターネットの検索結果は古くからある情報を優遇するので、他の農園とは屋号が被らないようにすべきです。
思いついた屋号を検索してみて、他に同じ名前の農園がないか確認してから最終決定しましょう。
商標も確認しておくべきです。商標の検索は経済産業省のホームページから可能です。
農家さんが屋号をつける際の注意点その3:作物の名前は使わないようにする
作物の名前を屋号に含めている農家さんがいらっしゃいます。(〇〇ぶどう園など)
けっして悪いことではないのですが「できれば」避けた方が吉です。
なぜなら栽培する作物は変更する可能性があるからです。
もし屋号に作物名を使っていた場合、作物を変えたら屋号も変更する必要が出てきてしまいます。
基本的に屋号に作物名を使用するのは、今後5~10年は絶対に作物を変えない!という場合のみにしておいた方が無難です。
農家さんの屋号がどうしても思いつかない場合
屋号は必須かどうか、そして屋号を決める際の注意点について述べてきました。
上で「屋号は二度と変えない方がいい」と述べてしまったので、屋号決めやネーミングに悩む方が出てきたかもしれないですね。
ここでは屋号がどうしても思いつかない場合の解決策を2つ述べていきます。
農家さんの屋号の決め方その1:ブレインストーミングする
一般によく「ブレスト」と呼ばれているもの。
これは何かと言うと「とにかく思いついたアイデアをバンバン出しまくる」というものです。
基本的には複数人で行いますが、屋号決めにおいては以下の方法でやれば一人でも可能です。
- 「2分間」など時間を決めて、自分の事業(農業)に関する単語やカッコイイと思う単語をひたすらノートに書き綴る
- ノートに書き出した単語を繋げたり、あるいは削ることで最終的な屋号を決定する
実は「ファームコネクト 」という名前もこの方法で決定しました。
いきなり屋号を決めようとするよりも、まずは思いつく単語をひたすら書き綴る(可視化する)ことで新たな発見があるものです。
ぜひお試しください。
農家さんの屋号の決め方その2:公募する
自分で決められない場合は「他者にお願いする」のも一つの手です。
SNSで募集してみると、名前を考えてくれた人がそのままファンになることもあるかもしれませんね。
自分が名前を考えた農園はその人にとって特別なはずなので。
あるいは、ランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングサイトで名前を決めてもらうのもアリ。
お金はかかってしまいますが、プロに納得のいく名前を決めてもらえますよ。
※会員登録は無料
また、ランサーズやクラウドワークスよりもカジュアル且つ安価に仕事依頼できるサイトでココナラというものがあります。
こちらも登録は無料なのでよければ覗いてみてください。
農家さんが個人事業主になる際の屋号まとめ
以上、農家さんの屋号決めについてでした。
「屋号は規則が緩いからそこまで深刻に考えなくて大丈夫」という考えの方もいますが、我々としてはやはり新しく事業を始める上で「愛せる名前」にできるかどうかは今後のやる気、ひいては事業成功の可否にも関わってくるのかなと思います。
上でも述べたとおり、途中で屋号を変えるのは相当手間がかかりますので、自分が100%納得できる屋号を追い求めてほしいですね。
それでは、ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。
本記事が少しでも参考になれば幸いです。