
こんな方に向けた記事です。
本記事の内容
- 農業に資格や免許は必要なのか?
- 取得しておくべき資格・免許一覧
この記事は、千葉県船橋市にある農家さんのネット販売支援団体【ファームコネクト】が書いています。
2020年9月に創業とまだ若いですが【船橋市役所農水産課】様や、【船橋市観光協会】様にも応援いただいている組織です。
HPを制作したり、クラウドファンディングへの出品代行をしたり、web広告を運用したり…
様々な媒体を活用して、農家さんのIT進出をお手伝いしています。
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今回は、上記の活動を通して多くの農家さんにヒアリングした結果をもとに、農業で必要な資格や免許について解説していきます。
農業に資格や免許は必要なのか?
結論から述べると、必要ありません。
農林水産省によると、農地面積が10アール以上、あるいは、農産物販売金額が年間15万以上の方は「農家」と定義されています。
これ以外に必要なものは特にないのです。
そのため、所有地を活用して栽培した作物をメルカリ等で販売して利益をあげている方も、儲け額によっては「農家」となります。
農業をするのに取得しておくべき資格・免許一覧
さて、本題である、農業をする上で取得していたほうがいい資格・免許を紹介していきます。
農業は特別な機械や器具を使うことが多いです。
なかには免許が必要になってくるものありますので、それぞれ解説していきますね。
農家資格
先ほど、農地面積が10アール以上、あるいは、農産物販売金額が年間15万以上の方は農家だとお伝えしましたが、この農地を購入、あるいは借りるのに必要なのが「農家資格」です。
個人の方が、農家資格を得るには、次の4つの要件を満たし、農業委員会の農地基本台帳に登録してもらわなければなりません。
1.農地のすべてを効率的に利用すること
機械や労働力等を適切に利用するための営農計画を持っていること
2.必要な農作業に常時従事すること
農地の取得者が、必要な農作業に常時従事(原則、年間150日以上)すること
3.一定の面積を経営すること
農地取得後の農地面積の合計が、原則50a(北海道は2ha)※以上であることが必要
※この面積は、地域の実情に応じて、農業委員会が引き下げることが可能となっています。
(お住まいの地域の面積については、市町村の農業委員会にお問い合わせください。)
4.周辺の農地利用に支障がないこと
水利調整に参加しない、無農薬栽培の取組が行われている
以上の要件を農業委員会に提出し、許可してもらわないと農地を取得できないのです。
これから土地を取得して、農家さんになりたいという方にとっては間違いなく必要な資格です。
詳細は農林水産省HPをご覧ください。
普通自動車免許
間違いなく取得しておくべき免許。
農家さんで自動車免許を持っていない方は会ったことがありません。
狭い道を通ったり、農機具などを運ぶことが頻繁にあるため、軽トラを使っている農家さんが多いです。
軽トラはマニュアル車が多いので、マニュアルの免許を取っておくと捗るでしょう。
大型特殊自動車免許
大規模な露地栽培をやっている農家さんが取得しておくべき免許です。
露地栽培の場合はトラクターなどの大型機械を使って、水・肥料を撒くことが多いです。
横幅が1.7M以下のトラクターを運転する場合は普通免許で大丈夫なのですが、それ以上の大型トラクターを運転する場合は大型特殊自動車免許が必要となってきます。
普通自動車免許を持っていれば一日で取れるので、将来露地栽培をしようと考えている方は取得しておくことをオススメします。
免許の詳細は農林水産省HPをご覧ください。
牽引免許
トラクターや大型コンバインなどの農業機械を牽引するときには必要な免許です。
業者にお願いしてもいいのですが、値段が高く、毎回お願いすると高額になってしまうことも。
普通自動車免許を持っていれば、即日取得できるプランもあるので、お近くの教習所に確認してみてください。
危険物取扱者(乙種第4類)
危険物(ガソリン、灯油や軽油)を扱う場合に取得しておかなければならない免許です。
一般的にガソリンスタンドといった施設には必ず、この免許を持っている人がいます。
農業でいうと、温度・湿度管理するために、ガソリンを使用した施設で作物の栽培をする場合は必要になってきます。
詳細→ 一般社団法人消防試験研究センター
ボイラー技士
ハウス栽培や施設栽培で、ボイラーを焚いて作物栽培する際は必要です。
ボイラーは重油を扱うことが多いので、一歩間違えれば大規模な事故が起きてしまう可能性があります。
免許の詳細は、公益社団法人安全衛生技術試験協会HPをご覧ください。
日本農業検定
農業や、食に関する基礎的な知識を習得するための検定。対象も小学生から一般の方までと幅広いです。
「食」について多角的に学びたい方にはおすすめの資格です。
→ 日本農業検定HP
日本技術検定
日本農業検定と似ていますが、日本技術検定は農業を学んでいる学生・携わっている方に特化した資格です。
そのため、先程の日本農業検定と比べると、難易度が少々高くなっています。
自分が今現在どれだけ農業知識があり、農業技術の習得ができているかを客観的に判断できる試験です。
農林水産省や文部科学省から後援されていたり、農業法人でも採用において待遇されるところもあるほど有名な資格です。
→ 日本技術検定詳細
産業用無人機認定
大規模農家さんのなかには、農薬散布にドローンや無人ヘリを使いたい方もいるかと思います。
機体が200g以下の小型ドローンは資格が必要ありませんが、200g以上のドローンは産業用無人機資格が必要です。
この資格は、ドローンや無人ヘリの研修センターで講習を受けることで認定されます。
将来的に大規模的に農業をしたい、スマート農業に携わりたいという方におすすめの資格です。
食育インストラクター
近年、「食育」という言葉が各種メディアで話題になっています。
政府広報オンラインでは、食育について以下のように定義しています。
「食育」とは、様々な経験を通じて、「食」に関する知識と、バランスの良い「食」を選択する力を身に付け、健全な食生活を実践できる力を育むことです。
「食」に深く関わる農家さんとしては、なかなか無視できない部分。
実際、幼稚園のサツマイモ掘り体験やフルーツ狩り体験に協力することで、食育に携わっている農家さんもいらっしゃいます。
食育インストラクター資格を持っていることをHP等でアピールすることで、より安心感を与えることができるようになりますし、ブランディングにもなるでしょう。
野菜ソムリエ
作物の知識を身に付け、その魅力・価値を社会に広めることができるようになるための資格です。
この資格を持っている芸能人も多く、有名な資格なので聞いたことがあるかもしれません。
農家さんがこの資格を持つことで、SNSやHPにて作物の魅力をキレ良く発信できるようになるというメリットがあります。
もちろん「野菜ソムリエが作っている野菜」というブランディングにも。
食の6次産業化プロデューサー(愛称:食Pro.)
食の6次産業化を担う人材の認定・育成を目的とした資格。
6次産業化を活用して作物に付加価値をつけ、利益を上げていきたい方に向けたものです。
資格を取得すると、名刺にロゴを入れたりホームページに記載できるようになり、消費者からの安心感が高まるほか、飲食店とも取引しやすくなるという利点があります。
農業で取るべき資格・免許まとめ
以上、農業で取るべき資格及び免許でした。
実務レベルで必須なもの〜ブランディングを後押しするものまで、様々な資格を紹介してきました。
これらの資格を取得することで、就農後に捗ること間違いなしですし、農業法人に採用される可能性も高まるので、取得を考えてみてはいかがでしょうか?
本記事が少しでも参考になれば幸いです。
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