農協の野菜買取価格の変動が激しくて収入が安定しない。そもそもなぜ変動するのかな。収入を安定させる方法があれば教えてほしい。
こんな方に向けた記事です。
- 農協を利用している農家さんの数について
- 農協の野菜買取価格は何を基準に決められているのか?
- 農協の野菜買取価格が変動する理由
- 農協の野菜買取価格が下落した結果起こること
- 解決方法について
この記事は農園のWeb活用支援団体ファームコネクトが書いています。
ネット販売の代行、ホームページ制作、クラウドファンディング支援など、農業特化のWeb事業として様々なサービスを展開しています。
野菜で月次売上200万円、とうもろこしで日次売上100万円超えなど、多数の販売実績があり、行政とも提携している組織です。
→ファームコネクトの事例紹介
今回は、多くの農家さんや、拓殖大学の教授からヒアリングした内容をもとに、農協の野菜買取価格について解説していきます。
農協を利用している農家さんの数
そもそも一体どれぐらいの農家さんが農協を活用しているのでしょうか?
結論から述べると、上の表にある通り約424万人です。(参考:農林水産省ホームページ)
日本の農家戸数は174万戸なので、1戸につき3人の農業従事者がいると仮定すると、80%以上の農家さんが農協を活用しているといえます。
大半の農家さんが農協に農産物を卸していることが分かりますね。
農協の野菜買取価格の変動は、大多数の農家さんの生活に影響を及ぼすのです
農協の野菜買取価格は何を基準に決められているのか?
市況の「需要と供給のバランス」で野菜買取価格を決めています。
需要>供給であれば価格が上がりますし、需要<供給であれば価格が下がります。
例えば、2021年の枝豆のグラム単価は下記の通りでした。
4月:2円
5月:1.6~1.8円
6月:1.4円
7月:1.2円
8月:1.2円
枝豆は夏の野菜なので、春先はまだ供給が少なく単価が高い傾向にあるのです。(年により異なります)
また、農協は農家さん向けに「農機具のメンテナンス」「補助金申請サポート」といった多様なサービスを展開しているため、そのサービス提供も加味されています。
農家さんからすれば農協を活用すれば様々なサービスを受けられるというメリットがありますが、やはり市況に生活が左右されるのはデメリットの一つです。
農協の野菜買取価格が変動する理由
市況によって農協の野菜買取価格が変動すると述べましたが、そもそもなぜ市況が変動してしまうのでしょうか?
結論から述べると、市況は「天候」による供給量で変動します。
野菜は日常的に食べられることから、基本的には需要量はあまり変動しないため、市況が供給量に依存しやすいのです。
2020年はコロナの影響で飲食店・小売店からの作物需要が減少しましたが、このケースは稀であるといえるでしょう。
農協の野菜買取価格が下落した結果起こったこと
野菜の買取価格が下落した際、知り合いの農家さんから話をお伺いしました。
すると、大根をダンボールに箱詰めして農協出荷したとのことですが、農家さんの利益がダンボールの購入代と一緒だったとのことでした。
つまり、利益がゼロで、手間と時間だけがかかってしまったのです。(資材代を考えると赤字です)
また、収穫には手間や時間がかかるため、収穫せずに畑に植ったままにし、トラクターで掘り起こすという農家さんもいらっしゃいました。(上記写真参照)
農協の野菜の買取価格変動に対する根本的な解決策
結論から述べると、販路を増やすしかありません。
もちろん上で述べた通り、農協は魅力的なサービスを提供しているので、農協と手を切ることは得策といえません。
農業を営むうえで強力な味方であるので上手にお付き合いしていくのがおすすめです。
あくまで農協に野菜を卸すのと並行して、他の販路を検討すると良いでしょう。
「【保存版】野菜・果物など農作物の売り方まとめ」で野菜の売り先をまとめているので、よければご覧ください。
農協の野菜の買取価格まとめ
以上、農協の野菜買取価格が変動する理由とそれに対する対処法でした。
農協としても天候はコントロールできませんし、魅力的なサービスを提供するには一定のマージンを取るしかありません。
そのため農家さんは自力で言い値で売れる販路も拡大していく必要がある…というのが結論です。
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。