連作障害ってなぜ起こるのかな。ベテラン農家はどうやって対策しているんだろう?連作障害への対策方法を教えてほしい。
こんな方に向けた記事です。
- そもそも連作障害とは?
- 連作障害が起こる理由
- 連作障害への対策方法
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今回は、上記の活動を通じてお会いしたベテラン農家さんたちにヒアリングした結果をもとに、連作障害への対策方法をご紹介していきます。
そもそも連作障害とは?
連作障害とは、同じ野菜を同じ圃場で作りつづけると起きる現象で、収量が減ったり、作物のクオリティが低下してしまうことを指します。
- 昨年はしっかり収穫できたのに、今年はうまくいかなかった
- 野菜の形が急に悪くなった
- 栽培方法に問題はなかったはずなのになぜか枯れてしまった
…といったことがあれば、連作障害の疑いがあるので注意が必要です。
ベテラン農家さんから聞いた、連作障害が起こる理由
連作障害の原因をみていきましょう。
農家を長い間やっている方でも、ときには連作障害に苦しむことがあるそうです。
主に2つの原因があるのでそれぞれ解説していきます。
【連作障害の理由その1】病害虫の増加
もっとも多いケースとのこと。
長年おなじ作物を作りつづけることで、土にいる特定の病害虫が増加してしまい、作物の成長を阻害してしまいます。
土壌内に一定数の病害虫がいることは問題ないのですが、連作することで病害虫が増えて土壌内のバランスを崩してしまいます。
これにより、作物がうまく育たないという現象が起きてしまうのです。
【連作障害の理由その2】土壌内の栄養バランスの乱れ
作物ごとに、土壌内にある特定の栄養素を吸収します。
おなじ作物を作りつづけると、その作物が吸収する特定の栄養素のみが土壌中から無くなるため、バランスが崩れてしまい、連作障害が起きてしまうのです。
まとめると、連作障害は、病害虫の増加や栄養バランスの崩れによって土壌の質が悪くなってしまうことが原因で起こります。
ベテラン農家さんから聞いた、連作障害への対策方法
それでは、本題である連作障害への対策方法を述べていきます。
ここでお伝えする内容をもとに、連作障害を避けていきましょう!
【連作障害対策その1】輪作をする
「育てる作物を一定のサイクルで変えていく」という対策方法。
ごくごく一般的な対策方法ですが、なかには輪作できていない農家さんも。
なぜそのような農家さんが存在するのかというと、数年にわたって連作できる作物が存在するからです。
イチゴやほうれん草は1〜2年、枝豆やトマトは3〜4年はおなじ圃場にて栽培できるといわれています。
毎年場所を変更できればベストですが、作物の種類や植えた時期によって、うっかり連作年数をオーバーすることがあるとのこと。
これを避けるには、より綿密な管理をおこなうほかありません。
日々の栽培の記録ができる「畑らく日記」や「アグリハブ」といった管理アプリがおすすめです。
農作業に役立つサービスについては、以下の記事をご覧ください。
【連作障害対策その2】有機肥料を与える
米ぬかや牛糞といった有機肥料が、連作障害には効果的とのこと。
栄養不足になった土壌に有機肥料が栄養をあたえて微生物のバランスを整えてくれます。
土壌に有機肥料を与えることで作物がおいしくなることもしばしば。
手間がかかりますが、おいしい作物を育てるためにも有機肥料はオススメです。
【連作障害対策その3】連作に強い作物を育てる
「連作に強い作物」が存在します。
一般的に、連作に強いと言われている作物は以下のとおり。
- アスパラガス
- トウモロコシ
- ニンニク
また、その他の作物においても、連作に強い品種が開発されてきています。
種屋さんや苗屋さんで購入できるので、ためしに購入してもいいかもしれませんね。
【番外編】土壌消毒をする
土壌内を消毒してきれいにする方法です。
これも連作障害の対策となりますが、こちらはお勧めできないとのこと。
土壌消毒の手段としては、太陽光をつかった熱消毒や、薬をつかった化学消毒が挙げられますが、いずれも土壌内の良い栄養素・微生物もいっしょに消毒してしまうので、一から土壌づくりをする必要性が生じてしまいます。
農家さんの連作障害対策まとめ
以上、農家さんの連作障害対策でした。
ベテラン農家さんでも時には遭遇してしまう現象ということで、対策は容易ではありません。
しかし、連作障害が起こる確率をすこしでも下げることが農業においては肝要といえるでしょう。
本記事がすこしでも参考になれば幸いです。