観光農園を始めようと思うんだけど、集客できるか不安だな。
うまくいっている観光農園さんはどのように集客しているのか、成功方法を知りたいな。
こんな方に向けた記事です。
- そもそも観光農園とは?
- 観光農園の成功事例
- 成功している観光農園の集客経路
- 成功事例をもとにした観光農園の成功方法
- 観光農園の始め方
この記事は農園のWeb活用支援団体ファームコネクトが書いています。
ネット販売の代行、ホームページ制作、クラウドファンディング支援など、農業特化のWeb事業として様々なサービスを展開しています。
野菜で月次売上200万円、とうもろこしで日次売上100万円超えなど、多数の販売実績があり、行政とも提携している組織です。
→ファームコネクトの事例紹介
私たちは2020年11月に、山梨県の「中込農園」さま(以下敬称略)にて2週間の住み込み農業体験してきました。
中込農園は山梨県南アルプス市最大の観光農園。
元々は果樹農家として市場に果物を卸していましたが、1990年代頃より観光農園に切り替えたとのことです。
とにかく面積が広大で、農地面積は約6ヘクタール。
- 柿
- さくらんぼ
- 梨
- ブドウ
- プラム
- 桃
- りんご
これらの果物狩りを楽しむことができ、多い時には1日で500人もの観光客が訪れるとか。
山梨県観光スポットランキングで富士山、富士急ハイランドをおさえて4年連続で1位にも輝いた実績があります。
メディア掲載歴も豊富で、テレビや雑誌、webメディアから引っ張りだこ。
代表は行政機関からアドバイスも求められ講演を行ったりもしています。
→ メディア掲載一覧
こんな中込農園に2週間住み込んで、代表の方からも貴重なお話を聞かせていただいたので、学んだ内容・ビジネスモデルを共有したいと思います。
観光農園の集客に悩んでいる方、これから観光農園を始めようと考えている方にとっては有益な内容です。
それでは参りましょう!
観光農園が注目されている背景
観光農園とは、農場見学や収穫体験など、主に観光客を対象として農作業を鑑賞させたり、体験させて収益を得るサービスを指します。
ただ作物を育てるだけの農業に「観光」を掛け合わせることによって付加価値がつき、より良い農園経営を実現できる可能性が高まります。
観光農園のビジネスモデルとして、以下の4つが挙げられます。
- 栽培体験型(作物を一から育てる。野菜に多い)
- 収穫体験型(収穫のみを行う。果樹、栗、芋に多い。)
- 鑑賞型(園内を鑑賞する。花に多い)
- 複合型
上記のなかでも、「観光農園」と聞いてパッと浮かぶのは収穫体験型ではないでしょうか?
中込農園さまも収穫体験型でしたので、本記事では収穫体験型をメインに取り上げていきますね。
観光農園の成功事例3選
観光農園の成功事例を3つご紹介します。
観光農園の成功事例その1:芳蔵園さま
ファームコネクトの協業パートナーの芳蔵園さまです。
(ファームコネクトと芳蔵園さまが共同提供している加工品開発&プロモーションサービス詳細はこちら)
千葉県船橋市の農園で、梨とブドウのほか、複数品目の野菜を栽培しています。
子ども向けの収穫体験や農園カフェ、フルーツサンドのキッチンカー事業を運営しており、地上波TV番組や全国紙などメディア出演多数。
代表の加納さまは6次産業化を推し進める生産者として日本農業新聞にも掲載されました。
観光農園の成功事例その2:三須トマト農園さま
千葉県船橋市の三須トマト農園さま。ファームコネクトのお客様です。
代表の方がもともと飲食店に勤めており、そのノウハウをもとに直売所を運営。
直売所はとても盛況しており周辺地域ではとても有名な農園ですが、コロナの影響もありネット販売をはじめました。
トマトの収穫体験やトマトのオーナー制度、移動販売など、さまざまな挑戦をされており、news every.やZIP!など、多数のメディアへの出演歴が。
観光農園の成功事例その3:中込農園さま
冒頭でもご紹介した、日本を代表する観光農園です。
次の項から、中込農園代表の方からお聞きした「集客経路」「観光農園の成功方法」についてお伝えしていきます。
【観光農園の成功事例】中込農園の集客経路とは?
中込農園がいかにして1日数百人もの圧倒的な集客を成し遂げているのか?
具体的な集客経路をお伝えしていきます。
結論から述べると、大半が「インターネット」を活用した集客です。
とはいえ一口に「インターネット」といっても、その種類は様々。
具体的にどんな経路から、どのように集客しているのかを述べていきますね。
成功している観光農園の集客経路その1:ホームページ
ホームページを見て訪れる方が最も多いとのこと。
実は代表の中込さんがインターネットに精通しており、「検索結果で上位表示させること(SEO対策といいます)」が上手く、「さくらんぼ狩り」「桃狩り」「山梨 果物狩り」といったワードで検索すると、中込農園のホームページが1ページ目に出てきます。
こういったワードで調べた方が、中込農園のホームページを見て、来客する…という流れが出来ているのです。
検索結果で上位表示させる方法については、「SEO対策」で検索すると出てきます。
あるいは、ファームコネクトもSEO対策を承っているので、興味のある方はお問い合わせください。
成功している観光農園の集客経路その2:じゃらん
日本最大の観光サイトである「じゃらん」の活用も欠かせないとのこと。
ホームページがなくても、じゃらんに登録さえしておけば農園の名前で検索した際にじゃらんのページが出ます。
そこで農園の魅力を伝えたり、口コミを閲覧してもらうことが可能となるのです。
掲載自体は無料なので是非とも活用したいですね。
成功している観光農園の集客経路その3:メディア掲載
上で述べたとおり、中込農園さまは多数のメディアに掲載されています。
メディアに掲載されればそれだけで農園の魅力を伝えられますし、安心感も与えられるので、積極的に露出していきたいところ。
成功している観光農園の集客経路その4:口コミ
インターネットを活用するのであれば口コミは必ずとっていいほど見られます。
中込農園は果樹の質がよく、また南アルプスならではの雄大な景色を楽しめることから口コミが高評価ばかりで、新規来客はもちろん、リピーターの方が非常に多いそう。
【観光農園の成功事例】中込農園さまの手法を踏まえての成功方法
山梨は観光農園がもっとも多い都道府県。
そんな激戦区で人気を保ち続けている中込農園の事例をもとに、観光農園の成功方法をお伝えしていきます。
ニーズ理解と農園分析
検索結果で上位表示させたりして露出を増やすことは大切ですが、お客さまに魅力を感じて頂かないと足を運んでもらうことはできません。
「お客さまが魅力を感じる観光農園」を作るには、以下の2点を分析する必要が。
- お客さまはどんな観光農園を求めているのか?
- 自分の農園はどのニーズに応えられるのか?
この2点は、我々ファームコネクトが農家さんのホームページを作る際に考えていることです。
この2点を明確にすることで「お客さまがあなたの観光農園に足を運ぶ理由」が分かるようになります。
- 新鮮で美味しい作物が食べられるか
- 都会では味わえない自然を楽しめるか
- 安全な作物が食べられるか
- 値段が他よりも安価か
- トイレなどの施設が綺麗か
- 周囲に他の観光名所があるか
- 口コミが良いか
- 農園の運営者の人柄が良いか
お客さまからすると上記のような項目を欲しています。
こういったニーズの中で、「自分の農園だったらどのニーズに応えられるか」「競合が満たせていないニーズ」を考えましょう。
あとは「その観光農園ならではのサービス」があってもいいですね。
例えば中込農園は果物狩りだけでなく、BBQも実施しており差別化を図っています。
また、ホームページでは周囲の観光名所も紹介しているのもポイントです。
ホームページの活用
ホームページの活用は必須です。
ホームページを使うことでお客さまに農園の魅力を伝えられるほか、アルバイト先を探している人がホームページを見て応募してくるなど、採用をサポートしてくれます。
ホームページ作成のメリットや盛り込むべき項目などは「農家さんに無料のホームページ作成ツールをご紹介」にて解説しているのでよければご覧ください。
Googleマイビジネスで上位表示する
観光農園、直売所を営む方に必須なのが、「Googleマイビジネス」です。
Googleマイビジネスは下の写真のもの↓
見たことがある方も多いかと思います。
Googleマイビジネスに登録(無料です)することで、検索結果で表示されるようになります。
近年のWeb集客においては必要不可欠なのでぜひ取り入れておきましょう。
じゃらんで上位表示
上でも述べたとおり、じゃらんへの掲載自体は無料です。
そのためじゃらんに掲載している観光農園は多々あるので、「じゃらん内でどれだけ掲載順位を上げるか」も重要なのです。
掲載順位を上げるには以下の項目が大切。(順位の決め方は一般公開されていないので、あくまで推測です)
- プラン数
- 口コミ数
- 口コミ評価
- 口コミへの返信率
- 特集へのエントリー
情報を充実させること・管理画面に定期的にログインして最新情報をチェックすること・口コミ対策に注力することが大切ですね。
プレスリリース
私たちが考えている以上にTVや新聞といったメディアは強力です。メディアには積極的に露出するようにしましょう。
ある程度有名な農園になれば向こうから取材依頼が届きますが、最初のうちは取材依頼は限られています。
初期の頃はこちらからタウン誌や新聞社に営業したり、プレスリリースを出すことも必要でしょう。
ファームコネクトはプレスリリース支援サービスも提供しているので、よければご確認ください。
上で紹介した芳蔵園さまや三須トマト農園さまにもご活用いただいているサービスです。
口コミ対策
今や口コミは最重要といっても過言ではありません。
「SNS投稿で10%オフ」「口コミ投稿でクーポン発行」といった形で積極的に口コミを投稿してもらいましょう。
悪い口コミを投稿されそうで怖いなあ。
このように思う方がいるかもしれませんが、人は「口コミ投稿したら〇〇(クーポン等)がもらえる」という状況においては、悪い口コミを投稿することはほぼありません。
これは「返報性」という、人に何かされたらお返ししたくなるという人間心理によるもの。
クーポンプレゼントをしているのに悪い口コミが投稿された場合は相当問題なので、真摯に対応すべきです。
また、農園に写真撮影スポットを作れば、そこで写真撮影した人がインスタ等のSNSに写真を投稿してくれるので「自動拡散機」が出来上がります。
【観光農園の成功事例】1日500人が訪れる農園の集客手法とは?まとめ
以上、観光農園の成功事例と成功方法についてでした。
どんなビジネスにおいても集客がもっとも難しいところですが、1度注目を浴びれば、口コミが口コミを呼びどんどん上手くいきます。
とはいえ、どれだけ集客をしてもリピーターがいなければ穴のあいたバケツに水を注ぐようなものです。
「果物の味を向上させる」「設備を綺麗にする」「接客を大切にする」といった基本的な部分に力をいれ、穴を塞いでから集客するのが一番です。
あなたの観光農園経営が上手くいくことを心より願っております。
それでは、ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。