
概要
会社名 | かまくら農園 |
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所在地 | 千葉県船橋市 |
栽培作物 | 多品目野菜 |
提供サービス | ネット販売支援・ホームページ制作・デザイン制作 |
URL | https://kamakura-farm.com/ |
ご相談背景
- 【ネット販売支援・ホームページ制作】
売価を安定させるため、直売所や無人販売所での販売の比率を増やしていた。直売所には消費者の数が限られているというデメリットがあり、より商圏が広がるネット販売を画策。また、地域では珍しいホワイトコーン及び地域ブランド認定の枝豆を栽培していたが、広告宣伝に課題。
実施内容
- 【ネット販売支援・ホームページ制作】
ネット販売の開始から支援。「野菜セット」「枝豆」「ホワイトコーン」の3商品を販売。農園のコンセプト設計を行なった上で、SEO対策を施したホームページ制作およびブログ記事執筆、X(旧Twitter)運用、プレスリリースを実施。 - 【デザイン制作】
自動販売機、公式LINEリッチメニュー、発送用段ボールのデザインを制作。農園のブランド化を目指し、すべてにロゴを配置しカラーをグリーンで統一。
ポイントと成果
- 【ネット販売支援・ホームページ制作】
X(旧Twitter)での発信開始翌月に野菜セットで月次売上30万円以上を記録。SEO対策により、多いときには月間1万ユーザーが訪れるホームページに成長。大手新聞社などメディア出演も多数で、農園の認知向上に寄与。無人販売所の売上が向上し、現在は自動販売機での販売にも着手。
ネット販売開始4ヶ月後には枝豆を販売して月間売上40万円、6ヶ月後にホワイトコーンを販売し、1日の売上100万円以上を記録。「美味しい枝豆 通販」「白いとうもろこし 通販」などの顕在顧客向けキーワードの他、「枝豆 栽培過程」「とうもろこし 栽培過程」「とうもろこし 見分け方」などの潜在顧客向けキーワードでも上位表示に成功。
成果物(ホームページ)

成果物(デザイン)



インタビュー
HP制作および通販開始前の販路
-ファームコネクトと関わる前は、どの販路で作物を販売していましたか?
鎌倉:主な販路は市場と、スーパーの「eショップ」などの直売所になります。割合としては5対5くらいで販売をしていました。ここ数年で市場からより直売にシフトをして、というところになります。
-ホームページの導入およびオンラインショップでの販売はいつから取り組みましたか?
鎌倉:約3年ほど前(2021年)の正月くらいから、ネット販売を始めました。
当時の販路での悩みと、新たな販路を考えた理由
-元々販路があった中で、なぜ新たな販路を開拓しようと思われましたか?
鎌倉:都市近郊農業は土地が限られているため、いかに畑1枚から利益を上げられるかが売上に直結します。市場は値段を相場で決められてしまうので、例えばこだわりを持って野菜を作ったとしても需要がなければ当然値段は安くなりますし、こちらが希望する値段で売れないということがありました。直売所であれば自分たちがつけた値段で売れることから、市場からの比率を増やしていきました。そのうえで直売所に関しては、消費者が少ないというデメリットがありまして、そこを解消するために全国で売っていければと、ネット販売を始めました。
-既存市場や直売所などの販路は、当時世界中を襲ったコロナの影響を受けましたか?
鎌倉:そうですね。特に枝豆は、市場を通して料亭さんでしたりとかお料理屋さんに行くような販路も多くありました。コロナで営業をされていなかったこともあって需要が少なくなり、当然値段も落ちてきていました。
ネット販売を始めた経緯
-さまざまな販路があるなかで、なぜネット販売を始めようと思われましたか?
鎌倉:単価を自分で決められるということと、全国に販路を広げていけるという2点が非常に大きく、直売の比率を増やしていこうと思った際に取り入れることにしました。
-なぜファームコネクトへ依頼しようと思っていただけましたか?
鎌倉:ファームコネクトさんは農業に特化しているということと、地元が一緒でなにかあればすぐに当時は駆けつけてくれて話を聞いてくれることです。ファームコネクトさんも当時はまだ出来たばかりで、「かまくら農園さんと一緒に頑張りたい」というものを感じ取れたので、ここにお願いしようと父と母と相談して家族全会一致で決まりました。
農業経営の変化
-弊社と契約後、農業経営に関して数値的な意味で変化はありましたか?
鎌倉:売上は大きく変わりました。元々ネット販売を行なっていなかった0件の状態から、今は安定して年間1,000件前後くらいのご注文をいただいています。
-弊社と契約後、農業経営に対しての想いに変化はありましたか?
鎌倉:ネット販売を介して直接お客さまと繋がれる点がすごく新しいです。これまでは市場を介してであったり、出荷時にたまたま自分の野菜を買ってくれるお客さまがいない限りはお話しすることも出来なかったので、ネット販売を通じて直接メールをいただいたり、お手紙で「美味しかったです」というお声を直接いただけるというのはすごくモチベーションになりました。ただ作るというよりは、より美味しく食卓を彩るような野菜を作れたらなという想いに変わりました。
ネット販売を始めるにあたり行った施策
-ネット販売を始めるにあたって実際にどんな取り組み、施策をしていったのでしょうか?
鎌倉:ファームコネクトさんにいろいろ教えてもらいながらですが、「知ってもらわないといけない」というところがあったので、プレスリリースの活用や新聞社さんに取り上げていただき、それに合わせて一番反応がいいところで野菜の販売をスタートしていきました。SNSも始めました。
-InstagramやX(旧Twitter)、LINE公式アカウントを使用していただいていいますが、LINEでの集客や販売促進が効果的ですか?
鎌倉:そうですね。販売するときには必ずLINE配信をファームコネクトさんがしてくださるのですが、それはかなり大きいなと思います。メールよりはLINEを見る方が多いと思いますし、それは大変ありがたいです。
ネット販売の苦労
-ネット販売を始めるにあたって、苦労した部分があればお聞かせいただけますでしょうか?
鎌倉:苦労した部分はあまりありませんが、梱包は慣れていなかったので、最初は野菜が少し崩れてしまっていたりとか、そういったお声をいただくことはありました。しかしそれも慣れてしまえば、負担ではないです。テレビ出演後や新しい作物が始まったときに注文がドッと来ることがあるので、その際は作業量が増えたりしますが、そちらも大きな負担にはなっていません。
ネット販売をおすすめしたい農家
-どんな農家さんにホームページ制作やネット販売をおすすめしたいでしょうか?
鎌倉:皆さん自分なりのこだわりを持って作られていると思いますが、やはり市場ですとどうしても、数量がある程度ないとそのこだわりが消されてしまいがちです。例えば「数量は少ないけれどこだわりを持って作っていて、それを誰かに伝えたいです」とか、「その価値を知って理解してくれた人に販売していきたい」という方に関しては、ホームページで販売をしていくと良いと思います。
ネット販売を始めるにあたり最初にやるべきこと
-これからネットでの販売をしたい方がまず最初にやるべきことは何でしょうか?
鎌倉:自分の発信したい内容やこだわり、自分はどう野菜を作っていて自分の野菜はどういったもので、どういった土で、という自分のタグをたくさん探していって、その掛け合わせをしていくと、ある程度被らない農家さんにはなってくるなと思います。自分の特色や特徴を自分なりに考えて見つけておくことが、一つ大事かなと思います。
私の場合、ファームコネクトさんに来ていただいて話をしていくうちに、自分の特色を発見することが出来ました。例えば農園が15代続いていることも「昔からあるだけ」という認識でしたが、ファームコネクトさんに話したり、他の方に話したりすると「すごく歴史があるんですね」と。大して価値がないと思っているようなことでも話してみるとそれが違う方には響いたりもするものです。
アフタートーク:具体的な施策
かまくら農園さんとファームコネクト
かまくら農園さんには、我々ファームコネクト創業当初からずっとお世話になっておりまして、鎌倉さんなしではファームコネクト存続できなかったんじゃないかというくらい、本当にお世話になっている方です。
ご契約当時、まだ我々に農作物の販売実績がなかった状況で、そんな中でも「ファームコネクトさんの自由にやっていいですよ」という形で寛大なお言葉をいただきまして、おかげさまで様々な施策を行うことが出来ました。
施策の概要
- 成約率の高い商品販売ページを制作
- リピート施策
- SNS運用
- SEO対策
- プレスリリース
施策①成約率の高い商品販売ページの制作
見落としがちなポイントですが、ネット販売で一番重要なのは商品販売ページです。購入ボタンがある、作物の魅力を伝えて消費者に作物を購入してもらうためのページです。
あまり注力していない方も多いのですが、こちらの成約率が低いとどれだけお客さんをホームページに集客してきても、結局作物が売れていきません。まずは成約率の高い商品販売ページを制作して、バケツの底を埋めた状態でお客さんを投入していく。そうすると集客の努力が無駄になることなく売上に直結していくので、成約率の高い商品販売ページを作ることは大変重要です。
施策②リピート施策
具体的にはLINE公式アカウントを活用したリピート施策と、商品に同梱するお礼状を活用したリピート施策があります。
まず、LINE公式アカウントにはスタンプカードの機能があり、例えば「○回購入した人には作物1個プレゼント」や「◯回購入した人には5%オフクーポンプレゼント」など、様々なプレゼントを用意することによって、1人のお客様にたくさん購入してもらうことが出来るようになります。
また、商品に同封するお礼状。こちらには例えば次回以降使えるクーポンを入れるなどして、リピートを促しました。LINE公式アカウントと商品に同封するお礼状、この2つの施策はマストで取り入れていきたいです。
施策③SNS運用
ここまでで商品ページを作って、さらにリピート施策もしっかり用意しました。そうすることによってお客さんが来たら高い確率で買ってくださり、さらにその後のリピートもしてくれるという形で、土台が出来上がりました。
次からの施策は、ここに人を流し込んでいくという作業です。3つ目の施策、SNS運用です。
かまくら農園さんは最初は、X(旧Twitter)というSNSを活用して販売促進していました。X(旧Twitter)の中でほとんど毎日ツイートしたり、フォロワーさんとこまめにやり取りをしたり、プレゼント企画を実施したりして、多くの人にかまくら農園さんを知っていただく施策を行なってファンを増やしていきました。
最初の2、3か月はほとんどX(旧Twitter)からの集客で売上を伸ばしていた状態でした。
施策④SEO対策
4つ目がSEO対策。検索で上位表示するというものです。こちらは初期の段階から、SEO対策を施したホームページを作っていくことが重要になってきます。
かまくら農園さんの場合は、例えば枝豆・トウモロコシを主に販売していたので、「美味しい 枝豆 通販」で表示されるようにしたり、「白いトウモロコシ 通販」で表示されるようにしたりしてSEO対策をしてきました。
「〇〇 通販」という形で上位表示すると特に購入に繋がりやすいのですが、応用編として、例えば「枝豆 栽培過程」「トウモロコシ 栽培過程」といったキーワードでもホームページが上位表示するようにして、その中で作物の栽培過程を書いておくと、それを見た人は「これだけ大切に育てられてる作物を食べてみたい」という気持ちになります。
そして、最後に商品販売ページに飛ばして購入してもらうという方法も活用しています。
SEO対策は一回上位表示すれば、基本的に安定して自動で集客してくれます。例えばSNSの投稿が大変という人や、自分は作物の栽培に集中したいという方には特におすすめの集客方法となっています。
施策⑤プレスリリース
5つ目がプレスリリース。こちらはメディアに取り上げてもらうというものです。
鎌倉さんは新聞に取り上げてもらったり、それを機に有名になって、今度はテレビから連絡が来たりという形で、どんどんメディア出演の機会を増やしていきました。
メディアに出るとそれ自体が実績になるので、そのメディア掲載実績をホームページに掲載することで、より商品販売ページの成約率が上がる傾向にあります。
メディアに出た瞬間に農園を多くの人に知ってもらえることはもちろん、その後もホームページの成約率を上げ続けてくれるので、まさに一石二鳥です。
まとめ
「成約率の高い商品販売ページを制作する」、「リピート施策(LINEとお礼状の活用)」、「SNS運用」、「SEO対策(検索上位表示)」、「プレスリリース」。以上5点が、今回インタビューさせていただいたかまくら農園さんの施策でした。
まずは成約率の高い販売ページの制作とリピート施策で土台を作り、次に集客していくという、この一連の流れが非常に重要ですので、ぜひこの段取りだけは踏襲していただけますと幸いです。