
なるべく経費で落として利益を増やしたいけど、 農家はどこまで経費にできるんだろう?車とか経費にできるのか気になる。
詳しい人に教えてほしい!
こんな方に向けた記事です。
この記事は農園のWeb活用支援団体ファームコネクトが書いています。
ネット販売の代行、ホームページ制作、クラウドファンディング支援など、農業特化のWeb事業として様々なサービスを展開しています。
野菜で月次売上200万円、とうもろこしで日次売上100万円超えなど、多数の販売実績があり、行政とも提携している組織です。
→ファームコネクトの事例紹介
ファームコネクトには簿記2級保持者が2人いたり、そのうち一方は元税理士受験生だったり…と税務についてはなかなかの知識があります。
この知識をフル活用し、農家さんが経費に落とせるものを一覧形式でご紹介していきますね。
農家さんが経費で落とせるもの その1:農地の取得・維持費用

まずは農業で欠かせない、「農地」に関する費用です。
金額も大きいので、積極的に経費にしていきましょう!
農地の取得・維持費用①:固定資産税・不動産所得税
資産である農地の購入費用を経費計上することはできませんが、
取得した農地にかかる固定資産税や不動産所得税は経費で落とすことができます。
農地購入にあたり費用を借り入れた場合に返済にかかる利子や、
農地を借りている場合にかかる地代・貸借料・小作料なども経費計上可能です。
農地の取得・維持費用②:土地改良費・水利費
また、土地改良事業の賦課金がある場合は、10aあたり1万円未満であれば「土地改良費」として全額経費計で落とせます。
賦課金には水利費も含まれており、全額を「租税公課」として計上します。
自治体によっては経費のみの額を算出して広報などで公開してくれていることもあるので、チェックしてみるといいですね。
農家さんが経費で落とせるもの その2:農機具や設備の取得・維持費用

農機具の購入、修理費用も欠かせません。
農地同様、金額が大きい部分なので、適切に管理していきたい部分です。
農機具や設備の取得・維持費用①:農具費・貸借料
農機具や農業用設備の購入にかかった費用は「農具費」として、
農具のリースにかかった費用は「貸借料」として、それぞれ経費で落とせます。
なお、10万円以上の農具・農業用機械等を購入した場合は「減価償却資産」となりますので注意が必要です。
農機具や設備の取得・維持費用②:動力光熱費
農業用機械やビニールハウスの稼働にかかった燃料費、電気・ガス・水道代などの光熱費は「動力光熱費」として経費計上できます。
ただし、家事等にかかった費用を含めた経費計上はできません。
メーターを分けるなどして事業用との区分を明確にしておくといいかもしれませんね。
農機具や設備の取得・維持費用③:修繕費
農機具の修理費や業務で使用する車の車検費用は「修繕費」として経費で落とせます。
こちらも、私生活での使用分は差し引く必要がありますので、領収書等を保管して使用割合を計算できるようにしておいてくださいね。
また、自動車税や自動車所得税・自動車重量税も「租税公課」として経費計上できますよ。
農家さんが経費で落とせるもの その3:知識習得費用

農業関連の書籍購入費や農業新聞などの購読費、
セミナー等への参加費や交通費は「雑費」として経費で落とすことができます。
このほかにも、事務用品の購入など、帳簿上どの項目にも当てはまらないけれど農業に関する費用は雑費として申告します。
領収書や通帳などなんらかの記録が必要になりますので、大切に保管するようにしてくださいね。
農家さんが経費で落とせるもの その4:農作物の栽培費用

細かいものだと草刈り機のヒモ等も含まれ、管理が面倒な部分ですが、チリも積もれば山となります。
適切に経費として計上していきましょう。
農作物の栽培費用①:種苗費・肥料代・農薬衛生費
種子・苗・種いもなどの購入費を「種苗費」、肥料の購入費を「肥料代」、農薬の購入費や共同防除費用などは「農薬衛生費」と、農作物の栽培にかかる費用は細かく分類して経費計上します。
農作物の栽培費用②:諸材料費
ビニールハウスのビニール代や防虫ネット、縄、針金などの栽培に使用する消耗品にかかる費用は「諸材料費」として経費で落とせます。
農家さんが経費でおとせるもの その5:作業用衣類費

作業着や長靴、帽子など作業用衣類の購入費用は「作業等衣料費」として経費で落とします。
こちらも私服と兼用している場合は全額計上できず、
農業用割合分のみを計算する必要があるので注意してくださいね。
農家さんが経費で落とせるもの その6:農作物の出荷費用

出荷時にかかる包装費用や運賃などは「荷造運賃手数料」に分類されます。
カントリー固定費や販売対策にともなう費用も、こちらの項目にて計上できます。
農家さんが経費で落とせるもの その7:販売促進・広告宣伝費用

販売促進を目的としたチラシなどの製作費は「広告宣伝費」、自社ホームページを開設する場合の通信費やサーバー・ドメイン料金は「事務通信費」としてそれぞれ経費計上することができます。
青色申告決算書の既存科目ではありませんが、農業簿記勘定科目にはありますので、余白を利用して科目を記入するといいですね。
通信費などを家庭用として利用している場合は、農業用割合のみ経費計上の対象となります。
農家さんが経費で落とせるもの その8:給与等の人件費

常時雇用の従業員や、臨時で雇ったアルバイトなどへ支払う給与・交通費等は、「雇人費」として経費で落とせます。現金での給与に限らず、商品券や現物での支給でも経費計上が可能です。
一方、親族を雇用して給与を支払った場合、原則として経費で落とすことはできません。
ただし、青色事業専従者給与の特例(青色申告)や事業専従者控除の特例(白色申告)によって、親族への給与も特別な取り扱いが認められています。
特に青色事業専従者給与は、申告者と生計を共にしている配偶者や親族のうち、15歳以上でその家の農業に専ら従事している人に支払った給与は必要経費として経費で落とすことができるので、大きなメリットになりますね。
農家さんが経費で落とせるものまとめ

以上、農家さんが経費で落とせるものを紹介しました。
抜け漏れのない経費計上で、利益を増やす助けになれば幸いです。
なにかご質問等ございましたら、お気軽にコメントお願いします。
それでは、最後までお読みいただき誠にありがとうございました。