販促物で作物の魅力を伝えるために野菜・果物のキャッチコピーを使いたいんだけど、どんなキャッチコピーだと売れるか分からない…。
作り方や具体例を教えて!
こんな方に向けた記事です。
- 「キャッチコピー」の定義と目的
- 売れるキャッチコピーの作り方
- 売れないキャッチコピーの特徴
- 野菜・果物のキャッチコピーの具体例
この記事は農園のWeb活用支援団体ファームコネクトが書いています。
ネット販売の代行、ホームページ制作、クラウドファンディング支援など、農業特化のWeb事業として様々なサービスを展開しています。
野菜で月次売上200万円、とうもろこしで日次売上100万円超えなど、多数の販売実績があり、行政とも提携している組織です。
→ファームコネクトの事例紹介
本記事では、これまで多数の販売実績を残してきた知見をもとに、「キャッチコピーの作り方」や「実際にウケが良かったキャッチコピー」をお伝えしていきます。
野菜・果物のキャッチコピーの定義と目的
まず最初に、「キャッチコピー」という言葉の定義・目的を確認しておきましょう。
そのほうが後々スムーズに話が進むからです。
wikipediaでは、キャッチコピーについて以下のように説明されています。
広告のうち商品や作品(あるいはその広告の本文)に惹きつけられるように掲げられるインパクトを持たせたコピー。
wikipedia
要するに、キャッチコピーの目的は「人を惹きつけること」であるといえます。
ポップのキャッチコピーであれば「数ある商品の中で、その商品に目が留まる(=目を惹く)」ように作る必要があります。
ホームページであれば「その商品が欲しくなる(=心を惹く)」ようにキャッチコピーを作る必要があるのです。
では、具体的に人を惹きつけるキャッチコピーを作るにはどうすればいいのかについて、次の章で述べていきますね。
魅力的な野菜・果物のキャッチコピーを作る方法
キャッチコピーが「人を惹きつける」ために存在することがわかりましたが、いったいどのように作れば良いのでしょうか?
ここでは具体的な方法はもちろん、思考法についてもお伝えしていきますね。(記事後半で具体例もお伝えします)
結論から述べると、魅力的なキャッチコピーを作るには以下の3点が重要であるといえます。
- ターゲットを定める
- 右脳に訴える
- 人間の性質を理解する
それぞれ解説していきますね。
ターゲットを定める
「目的から逆算すること」が成果の出るキャッチコピーを作る方法です。
野菜のキャッチコピーの目的は「人の興味を惹きつけて、最終的には野菜を売る」ことです。
しかし、この「人」について、より具体的に定義しておく必要があります。
人によって興味があることは様々ですし、同じ人でもタイミングや状況によって興味は異なってくるからです。
そのためここでは「どんな興味がある人に野菜を売りたいのか」を定めておく必要があります。
夕食の献立を考えながら野菜を見ている奥様には「夕食」や「今夜」という単語が目に留まるでしょうし、
あるいは健康のことを考えながら野菜を見ている方には「栄養素」という単語が目に留まるでしょう。
そしたら、そういった単語をキャッチコピーに含めることでターゲットとしているお客様に野菜を届けやすくなります。
「そしたら人間はみんな食べることが好きだから、食べ物って単語を入れればみんなを惹きつけられるんじゃない?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、あまりに抽象的すぎるキャッチコピーは、当てはまる人が多すぎて「自分ごと」と捉えてもらえません。
誰にでも当てはまるキャッチコピーは誰にも刺さらないのです。
逆に「今晩の夕飯で鍋を考えている40代の主婦へ」といった形で、具体的であればあるほど、当事者には刺さると言えます。
とはいえ、あまりに絞りすぎても売り先が減ってしまうというデメリットがあるので、ここは上手く調整していく必要があります。
データを取り、購入率を元に改善していくのがベストです。
右脳に訴える
人間には右脳と左脳があります。
右脳は「芸術脳」とも呼ばれ、感覚やイメージ、感情、直感など、いわゆる「感性」を処理する部分です。
一方、左脳は言語、計算、論理など、主に「理屈」に関わる情報を処理します。
人間は基本的に左脳を中心に利用し、この部分が発達している人は物事を論理的に捉え、理屈っぽく理解しようとします。
この2つのうち、キャッチコピーが刺激したいのは「右脳」の方です。
左脳を動かすには論理が必要なので、しっかりとした文章を用意する必要があるからです。
キャッチコピーは多くの場合は短い文章であるため、右脳を刺激することで直感的に人を惹きつける必要があるのです。
そのためには「イメージ(購入後の様子を想像)をさせる」といった手が有効です。(これ以外については次で紹介します)
人の性質を理解する
人の右脳を刺激するといっても、具体的にどうすればいいか分からないよ。
こう思った方も多いはず。そんな方は、人間の性質を理解することで、圧倒的に右脳に働きかけるキャッチコピーが作れるようになりますよ。
モノを売る上で最低限身につけておく知識は以下の通りです。
- 損失回避性
- 希少性
- 社会的証明
- 具体性(数値)
損失回避性
経済学ではプロスペクト理論と呼んだりもします。
これは何かというと「人間は損することを、得することよりも恐れる」というものです。
具体例を出すと、宝くじで100万円当たったときの喜びよりも、100万円を落として損してしまったときのショックの方が大きいですよ〜というもの。
なぜこんな習性が存在するかというと、太古の人間にとって「損すること=死ぬこと」だったからです。
せっかく採った肉を隣人に取られたら空腹で死にますし、狩りの現場で何かしらの損(ミス)を被ると死んでいたわけです。
この事実から、人間は得することよりも損することを本能的に恐れるのです。
そのためモノを売るときは「この商品を手に入れて得すること」よりも「この商品を手に入れないことによる損失」をアピールした方が売れやすくなると言われています。
希少性
人間は希少なモノに価値を感じます。
何の変哲もない水でも、砂漠においては高値で取引されるでしょう。希少なものだからです。
よって、モノを売るときはこの「希少性」を打ち出すと売れやすくなります。
期間限定で希少性を打ち出してもいいですし、「LINE友だち限定販売!」みたいに販路を制限して希少性を出してもいいですし、数量限定販売で希少性を出してもいいわけです。
普通に街を歩いていても「期間限定セール!」とかやっているとなんとなく目が留まりませんか?
キャッチコピーにこの希少性を取り入れられると、より興味をそそるものが出来上がるでしょう。
社会的証明
「人気な商品=良いもの」だと感じる性質。心理学の言葉です。
例えば「販売開始1時間で売り切れたケーキ」と聞くと、何となく美味しいものだと感じませんか?
人間は、他者から人気があるものは質が良いものと感じやすいのです。
よく商品販売ページや、通販のテレビ番組で「お客様の声」という欄があると思いますが、これも社会的証明を活かしたものです。
「巷で話題!」みたいな一言があると、人の興味を引きやすいといえるでしょう。
具体性(数値)
数字を使って具体性を増すと購入されやすくなります。
右脳と左脳どちらにも訴えることができる強力な手段です。
農作物であれば「糖度○○」が多いですね。
あとは「累計〇〇件購入されました!」「○時間前ごろまで畑にいた作物です!」「ビタミンCが〇〇の2倍含まれています!」など、積極的に数字を入れていきたいところですね。
野菜・果物のキャッチコピーの具体例10選
最後に、これまでの話をもとに、魅力的な「売れるキャッチコピー」の具体例を述べていきます。
キャッチコピー | ひとこと |
---|---|
これまで「狭く、深く」愛されてきた野菜 | 社会的証明の活用 |
まるで畑の宝石箱のよう | イメージさせることで右脳を刺激しています |
我が子に食べさせたいと思えるか? | 子供がいる人をターゲットにしています |
冬の鍋に欠かせない一品! | 鍋の献立を考えている人をターゲットにしていたり、「冬の鍋」という具体的なイメージを沸かせています |
苦味が少なくお子様も食べやすい♪ | 野菜嫌いの子供がいる人がターゲット |
無病息災と栄養補給に | 健康志向の方ですね。コロナ禍において強力そうです |
焼くだけジューシー | 人間の楽したい欲求を刺激しています |
摘果というオーディション | 希少性をアピール |
噛めば噛むほど素材本来の味がジュワッと駆け巡る | イメージを書き立てています |
幻の白いトウモロコシ | 希少性をアピール |
引用サイト一覧
→ らでぃっしゅぼーや
→ かまくら農園
→ たかしま農園
他にも、色カラーさんにたくさんのコピーが掲載されているので、ご覧ください。
野菜・果物のキャッチコピーまとめ
以上、野菜・果物のキャッチコピーについてでした。
「人を惹きつける」と聞くと何となくハードルが高い気がしますが、人の欲求を学んでおけばあまり難しいものではなかったりします。
日常生活においても目に留まるチラシや看板があったらキャッチコピーをメモしておく…などすれば学びを得ることができますので、ぜひ普段から学びを深めてみてはいかがでしょう?
あとはテレビCMの一言目なんかも参考になりますし、電車内の広告も学びの宝庫です。
ぜひ日々の生活から意識して、売れるキャッチコピーの持ち駒を増やしておくことを推奨します。
本記事が少しでも参考になれば幸いです。