農業に興味があるんだけど、農家さんも営業ってするのかな?
気になるから農業関係者に教えてほしい。
こんな方に向けた記事です。
- 農家さんの営業とは?
- 営業先
- 営業で重要なこと3選
この記事は農園のWeb活用支援団体ファームコネクトが書いています。
ネット販売の代行、ホームページ制作、クラウドファンディング支援など、農業特化のWeb事業として様々なサービスを展開しています。
野菜で月次売上200万円、とうもろこしで日次売上100万円超えなど、多数の販売実績があり、行政とも提携している組織です。
→ファームコネクトの事例紹介
今回は、多くの生産者様からヒアリングした内容をもとに、農家さんの営業について解説していきます。
農家さんの営業とは
近ごろの農家さんは作物の「栽培」のみならず、「販売」も行っています。
もともと育てた作物は農協に卸して終わりでしたが、より高い収益を求めて消費者に直接販売する生産者さまが増えているのです。
作物の魅力を伝え、お客様に購入していただけるようにすることが農家さんの営業です。
農園の野菜を使ってもらえるよう飲食店などの事業者に営業したり、ネット販売で消費者に購入してもらえるようSNSに注力することも営業の一種で、営業方法は農家さんそれぞれ。
一定の収益を上げるには、営業力が重要となっています。
農家さんの営業先
それでは、農家さんの営業先にはどういったものがあるのでしょうか?
結論から述べると「消費者」「小売店」「飲食店」の3つのケースがあります。
消費者に営業するには、ネット販売や直売所、移動販売での営業が必要です。
小売店については、スーパーの地場野菜コーナーや道の駅があります。これらのお店に野菜を置いてもらえるよう営業をかけるのです。
飲食店については、上でも述べたとおり、農園の野菜を使って料理をしてもらえるように営業をかける必要があります。
※ちなみに私たちの知り合いの農家さんには、病院食で作物を取り扱ってもらっているケースがあります。珍しいのでここでは割愛しています。
このなかでも特にオススメなのが、消費者に直接営業をかける販路です。
さらにいえば、全国の消費者を相手に営業できる点で、ネット販売が優れているといえるでしょう。
直売所などで周辺地域の顧客だけを相手に作物を販売するよりも、売上が青天井に伸びやすくなるためです。
また、ネット販売であれば接客や決済の部分を自動化できるので、手間の削減にも繋がります。
農家さんが営業する際に心がけること3選
さて、農家さんが実際に営業する場合、重要となることは何でしょうか?
素晴らしい作物を育てても売り先がなかったり、利益率が低ければ徒労に終わってしまいますよね。
土俵を選ぶ
売り先が多様なぶん、勝負する土俵を自由に選ぶことができます。
技術が優れている先輩農家さんと同じ土俵に立って勝負することは避けた方が吉。
市場や農協だとベテラン農家さんと同じ売り先となってしまい、そのぶんハードルが高いです。
高品質な野菜しか卸すことができませんし、一定の収量が必要となり、新規就農者には正直難しい部分が。
そのため、初心者ほど直接消費者へアプローチすることを推奨します。
直売所でもいいですし、移動販売やネット販売でも構いません。
どれだけベテランの農家さんでも販売については疎いケースが多いので、直販であれば経験の少なさをカバーできることがあります。
私たちのクライアントの生産者さまも、独立就農後3年目(20代後半のとき)に月次売上150万円を超えた方がおります。
差別化する
他の農家さんとは異なる「強み」を作ることで営業しやすくなります。
ホームページや各種SNSを使って栽培過程を発信して安心感を提供したり、パッケージにこだわって付加価値をつけたり…周囲の生産者様がやっていないことに注力したいところです。
例えば私たちのクライアントの方は、人一倍ポップにこだわることでスーパーの地場野菜コーナーの売上を大きく伸ばしていました。
→ファームコネクトのポップデザインサービス
メディアを利用する
何かを売り出すときに、メディアを活用するのも一つの手です。
メディア出演すれば一時的に売上が伸びることはもちろん、メディア掲載実績をHPに掲載することで他の農園との差別化に繋がります。
私たちのお客様である「芳蔵園」さまは、廃棄梨を活用したドライフルーツを開発するためにクラウドファンディングを実施しました。
その取り組みについてプレスリリースを実施したところ多くのメディアに取り上げられ、最終的に目標の300%以上の金額を集めることに成功しています。
メディア露出したことで、次は酒造会社から「廃棄梨を使ったシードルを開発しないか」という提案がありました。
翌年、梨シードルを開発するクラウドファンディングを行なったところ、次は目標の500%超えをはたしています。
その際も多くのメディアに取り上げられ、芳蔵園様は農園のブランドを確立。
新たに始めたフルーツサンドのキッチンカー事業は、多いときには1日で1,000個完売するほどの盛況ぶりとなっています。
→ファームコネクトのクラウドファンディング支援サービス
農家さんの営業まとめ
以上、農家さんの営業についてでした。
以前よりも作物の販売ルートが多様化していることから、営業先も増えてきています。
どの営業先に、どのように営業していくかの戦略次第で、収入は大きく変わってきます。
就農する前に、ある程度販売戦略を練っておくと、スムーズに農業で生計が立てられるようになるかもしれませんね。
本記事が少しでも参考になれば幸いです。