
概要
会社名 | 鈴果園 |
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所在地 | 千葉県船橋市 |
栽培作物 | 梨・米 |
提供サービス | ネット販売支援・デザイン制作 |
URL | https://suzukaen.net/ |
ご相談背景
- 【ネット販売支援・地域産品プロモーション支援】
消費者の思いが直接聞きたいという思いがあった他、既存販路において思うような金額で売ることができないケースが生じていた。千葉県発の新品種梨「秋満月」を栽培していたため、プロモーションをご希望。
実施内容
- 【ネット販売支援・地域産品プロモーション支援】
直販開始から支援。農園のコンセプト設計を行い、コンセプトをもとにホームページ及びLINE公式アカウントを制作。 - 【デザイン制作】
お米をご購入のお客様へ商品同梱チラシを作成。リピート率向上を目的とし、メッセージやこだわりを伝えるとともに、HPや公式LINEへの導線を設置。
ポイントと成果
- 【ネット販売支援】
「船橋 梨 通販」「(秋満月を含む梨の品種名) 通販」といったキーワードで検索上位表示に成功。初年度より販売した4品種すべてが15分以内に完売。翌年より、5品種を販売しすべて5分以内に完売。その後も毎年すぐに完売状態に。LINE公式アカウントの友だち数は4,000人以上。
成果物(ホームページ)

成果物(デザイン)

インタビュー
HP制作および通販開始前の販路
-ファームコネクトと関わる前は、どの販路で作物を販売していましたか?
鈴木:梨は地元の共同選果場への出荷、お米は共販に少々と、契約販売の形で直接納めさせていただいておりました。ファームコネクトさんと出会うころ、スーパーの産直コーナーにも卸しはじめたところでした。
当時の販路での悩みと、新たな販路を考えた理由
-元々の販路ではどのような悩み・課題がありましたでしょうか?
鈴木:栽培したものを出荷するにあたって、直接的に消費者に関わるというより、市場や仲卸との顔の突き合わせが多く、どのような方が食べているのかわからない点がありました。また、思うような値段がつかないこともありました。
ネット販売を始めた経緯
-さまざまな販路があるなかで、なぜネット販売を始めようと思われましたか?
鈴木:ファームコネクトさんと出会った当時、スーパーさんへの出荷を始めていたのですが、納品のタイミング等で消費者さんと会い、購入された方のお声を直接聞いたり、私のこだわりや特徴を伝える場が増えていきました。それがきっかけとなり、ネットやホームページを活用した販売方法で、より多くの人に自分のことを知ってもらう、情報発信の場として使えたらと思うようになりました。
-コロナ渦だった当時、直接お客様に会えない状況が続くなかで、ネット販売にメリットはありましたか?
鈴木:自分の想いや特徴を、対面しなくても伝えられることにメリットを感じました。また、私が稼働している時間と消費者の方のタイミングが合わなくても、ホームページであれば閲覧したい人がいつでも見られるのも良い点です。また、船橋という環境から遠く離れていても、どのような環境で育ったかを知っていただけるというのが、大変心強かったと思います。
ファームコネクトへの依頼を決めた理由
-なぜファームコネクトへ依頼しようと思っていただけましたか?
鈴木:タイミングと繋がりだと思います。当時私が、消費者さんと繋がりたい、想いを伝えたいと考えていたときに、地元でファームコネクトさんが立ち上がりました。ファームコネクトさんも私自身も、お互いが新しいことを始めるということに繋がりを感じて、一緒に成長したいと思いました。
農業経営の変化
-弊社と契約後、農業経営に関して数値的な意味で変化はありましたか?
鈴木:売上・経費ともに増えました。市場流通や作っているものを早急に変えることは難しいので、これまで市場に流していたものをネット販売に変更したという点で、契約直後の伸び率は実感しづらいです。
-ネット販売を始めても既存の販路をすべてなくすわけではなく、プラスアルファを付け加える形で、一気に改革するわけではないですよね。なので既存の状態から1.1倍、1.2倍と、年数をかけてアップデートしていくというニュアンスですよね。
鈴木:そうですね。やはり数字だけでは見えない繋がりやリピーターのお客様がついてくれていることは強みになったので、長期的に結果が出てくることを期待しています。
-鈴果園さんの梨はリピーターさんが多くて、新規のお客様があまり買えないという状況が続いていますよね。
鈴木:私にもそういったお声が届いていて、栽培現場を少しずつ整えて、なるべく多くの方に商品が届くようにしたいと考えています。
-弊社と契約後、農業経営に対しての想いに変化はありましたか?
鈴木:就農当初は市場流通や仲卸に卸すような卸し方を主としていたので、自分の作ったものを食べてくれる人の声が届きにくく、モチベーションの維持も難しい状況でした。ホームページを制作して、直接お客さまの声を聞ける環境で販売できるようになり、「美味しかったよ」というお声は嬉しく思いますし、一方ご指摘をいただくことで改善点が見つかることもあり、「より美味しいものを作りたい」「お客さまのもとへ食べごろの時に届けたい」という気持ちに変わりました。
ファームコネクトのサービスについて
-ファームコネクトのサービスで良かったところを教えていただけますでしょうか?
鈴木:ネット販売を始めるにあたり、ホームページや販売ページの制作、発送環境の整備など、私が普段の作業に追われて手が回らない部分をフォローしていただけたところです。また、固まっていた考え方に新しい風を入れてくれるなど、本当にいいパートナーとして助けていただきました。
ネット販売の苦労
-ネット販売を始めるにあたって、苦労した部分があればお聞かせいただけますでしょうか?
鈴木:今まで慣れない梱包作業でしたり、注文を受けての調整作業です。特に梨はシーズンの成りものですので、天候やその他の状況で採れる量を調整することが非常に難しく、いただいた注文に対してのタイムリー感を出すのに苦労しました。ただ、ファームコネクトさんに注文を受ける数をギリギリまで調整していただいたり、一方で数に余裕のある品種では追加注文をいただいたりと、最大限お客さまに届けられる体制が整えられたことは非常によかったと思います。
ネット販売をおすすめしたい農家
-どんな農家さんにホームページ制作やネット販売をおすすめしたいでしょうか?
鈴木:ネット販売をするにあたって、なにかしらの強みや生産的なところでの自信を持っている人です。自分の作っている作物の良さを食べる人の元にまで届けるのは非常に難しいことなので、「より多くの人に伝えたい」という気持ちがある人は、ぜひ自分から動いてネットワークを広げ、発信していくとより良い方向に進むと思います。
ネット販売をはじめるにあたり最初にやるべきこと
-これからネットでの販売をしたい方がまず最初にやるべきことは何でしょうか?
鈴木:まずやるべきことは、日々の管理作業です。いいものを作ればお客さんはついてくれますし、そうでなければ販売するものがないという状況になります。日々の作業に注力することで、生産物という基盤を整えることが第一です。次にいいパートナーを見つけることです。自分一人では難しい部分を補ってくれるようなパートナーと一緒に進めていくことで、より良い形で商品を届けられるのではないかと思います。
アフタートーク:即完売を実現した施策
鈴果園さんとファームコネクト
鈴木さんは家族で梨農園を営んでおり、ネット販売を2021年に開始して以降、毎回、販売した梨はすべて即時完売するという大人気農園です。
ファームコネクト創業当初からずっとお世話になっている生産者さまの一人で、梨栽培に対する情熱が非常に熱く、我々が農作業をお手伝いさせていただく際にお話しを伺うたびに、熱量の高さに感激している次第です。
それだけ手間ひまかけて育てられた美味しい梨をもっと多くの人に広めていきたいという想いで、販売をサポートさせていただいております。
施策の概要
私たちが行った主な施策は2点ございます。1つ目が「LINE公式アカウントの活用」、2つ目が「SEO対策を施したホームページ制作」です。
施策①LINE公式アカウントの活用
LINE公式アカウントとは、ビジネス用のLINEのことです。クーポン作成、アンケート機能、メッセージの一括送信機能といった、ビジネス用ならではの機能があり、直販において非常に役立つツールです。
鈴果園さんの場合、梨の収穫時期以外にホームページに訪れたお客さんをLINEに蓄積するという方法で活用しました。
ホームページに「販売開始はLINEでお知らせします」という内容でLINEのリンクを設置しておき、収穫時期以外にホームページを訪れた人が友だち追加しておいてくれるようにしました。そうすることで、いざ梨の収穫が始まった際に、販売開始を一斉にお知らせすることができます。作物の収穫時期が限られている農業においては、ぜひ取り入れていただきたい手法です。
鈴果園さんがLINEを作成してから約3年半経過しましたが、現在では4,000人以上の方が友だち追加してくれていています。それだけ多くの人に梨の販売開始を告知できるため、即時完売の結果が生まれています。
また、直販は他の販路との兼ね合いで在庫管理が複雑になりがちですが、LINEを活用することで少量ずつの販売が可能となるため、在庫管理の簡略化にも繋がります。
例えば、梨を20セットだけ販売したい場合、オンラインショップの在庫を20個に設定した上で、LINEで「梨セットを20セット販売します」と一斉送信します。すると、そのメッセージを見たお客様がすぐに商品を購入してくれます。また、仮に注文のキャンセルが出た場合は「キャンセルが出たので1セットだけ再販売します」とお知らせすると、そちらもすぐに売れていきます。
このように、お客様とこまめに連絡を取ることができるため、柔軟な数量設定で販売できる点も、LINEの強みです。
施策②SEO対策を施したホームページ制作
SEO対策とは、検索順位で上位表示することです。例えば梨農家さんの場合は、「梨 通販」というキーワードで検索した際に、自分の農園のホームページが上位表示されるようにしておくと、多くの注文を得ることができます。
鈴果園さまは2021年5月にホームページを作成しましたが、周囲の梨農家さんでSEO対策に注力している方があまりいなかったこともあり、その年の7月には「船橋 梨 通販」で検索した際に上位表示される状態になっていました。その結果、5月に作成したばかりにも関わらず、同年8月の収穫時期には月間1万人以上が鈴果園さんのホームページに訪れていました。
検索で上位表示されると、ほとんど自動でお客様がホームページを訪れて作物を購入してくれるので、集客にかける手間を省くことができます。継続的なSNSの投稿が苦手な方などは、ぜひチャレンジしてほしい集客方法です。