どうして農業のイメージって悪くて「3K」と言われているのかな?
就農してみたいけど、イメージが悪いから迷う。
実際のところどうなのか、実態を教えてほしい。
こんな方に向けた記事です。
- そもそも3Kとは?
- 実際に農業体験をしたり、農家さんと関わって感じた3Kの実態
- 新3Kについて
この記事は農園のWeb活用支援団体ファームコネクトが書いています。
ネット販売の代行、ホームページ制作、クラウドファンディング支援など、農業特化のWeb事業として様々なサービスを展開しています。
野菜で月次売上200万円、とうもろこしで日次売上100万円超えなど、多数の販売実績があり、行政とも提携している組織です。
→ファームコネクトの事例紹介
今回は、上記の活動をしつつ数々の農家さんにヒアリングしたり、実際に農業体験をして感じたことをもとに、3Kについて述べていきます。
農業体験についてはこちら
従来の農業のイメージである3Kとは?
一般的に使われている3Kという言葉は、「キツい・汚い・危険」を指します。マイナスな言葉ばかりですね。
他にも「稼げない」だとか、「結婚できない」と言われていたりも。
このマイナスなイメージが農業にあるためか、日本の生産者人口は減少の一途を辿っています。
農林水産省によると、平成31年の統計では平均年齢は67歳になり、上昇傾向にあるそう。
参考:農業労働力に関する統計
資料からは農業従事者が毎年減少していたり、耕作放棄地が増加していることもわかります。
実際、イメージ通りなの?農業3Kの実態
実際のところ、農家は3Kに当てはまる仕事なのでしょうか?
農家さんに直接ヒアリングしたり、我々が農業体験して感じたことをお伝えしていきます。
農業3Kの実態:「キツい」について
正直なところ、たしかに「キツい」です。炎天下で肉体労働をする必要があるからです。
例えば、このような「立ち鎌」と呼ばれる農具を使用した草刈りはすごく「キツい」です。
しかし、最近は最先端のテクノロジーにより農機具がIT化してきて、自動草刈りルンバや農薬散布機械が普及してきています。
ファームコネクトの知り合いの生産者様には、↓のような機械を導入した方も!
とはいえ、やはり機械は高額なものばかり…。
もっと購入しやすい金額になり普及率が上がらないかぎりは、引き続き「キツい」仕事であるといえるでしょう。
…と、このように体力的なキツさはもちろんですが、「時間の制約」も農業がキツいと言われる原因です。
基本的に農業は個人事業です。会社員のように労働時間が決められていません。
そのぶん自由度は高いのですが、収穫期はいそがしく、休むことがむずかしい現実があります。
また、給料が完全に保証されておらず、「成果主義」なので、休みの日でも仕事を完全に忘れることはできませんし、天候次第では休日返上で働かなくてはなりません。
このように、農業は「体力」・「時間の制約」の2つの面からキツいことは否めない事実です。
農業3Kの実態:「汚い」について
農作物を育てるには、どうしても畑で作業する必要があります。
畑には土・草などがありますし、虫もたくさん。汚いと感じる人もいるでしょう。
(私もゲジが苦手なので、ヒーヒー言いながら畑作業をしました。)
また、夏場は暑く、炎天下の作業ですので、汗もたくさんかきます。
こういったことから、農業は汚いというイメージがあるのかもしれません。
たしかに、デスクワークと比べると汚くなることは事実です。
農業3Kの実態:「危険」について
農業は多くの機械を使用します。
また、手入れも自分でおこなうことがほとんどです。
このことから、どうしても危険と隣り合わせなのが事実です。
とはいえ、既述の通りテクノロジーの進歩によって以前よりは危険性が解消されてきています。
農家さんにヒアリングした際も、危険性については脅威に感じている方はほとんどいない印象でした。
もちろんデスクワークよりも危険であることは事実ですが、ある程度気をつけていれば大きな事故は起こりません。
農業のイメージは新3Kの時代へ
以上、ここまで3Kの実態を述べてきました。
結論から述べると、危険性は減ってきているものの、やはり「キツい」「汚い」の2点は否定しきれない部分がある…といった形です。
しかし、これらは農業の「悪い面」だけに注目しただけのもの。
どんな仕事にだって、良い面と悪い面があります。
デスクワークだって、体力的にはキツくないですが、精神的に「キツい」ですから。
悪い面だけを見れば、どの職業も魅力に感じなくなってしまいます。
近頃は、農業の良い面が注目され始めたり、テクノロジーが進歩したことによって「新3K」という言葉が出てきています。
新3Kとは、「感動・かっこいい・稼げる」を指す言葉です。
これだけではイメージしづらいと思うので、それぞれ解説していきますね。
新3K:「感動」について
既述のとおり、農業は体力的にキツい仕事です。
体力的にキツいだけでなく、天候によって臨機応変に栽培方法を変えていくことが要求されたり、化学的な知識が必要であったりと、実は頭脳労働の側面もある職業。
ハードではありますが、そのぶん本当においしい作物が収穫できた感動も大きい…と多くの農家さんがお話しされています。
また、お客さまの喜びの声が心から嬉しいそうです。
農業新3K:「かっこいい」について
これは我々が農家さんと関わるなかで強く感じていることですが、農家さんは「経営者」としての側面が非常に大きい職業です。
「市場やJAのみに出荷する」という昔ながらの方法で農業を営んでいる方は、「経営者」というよりも「職人」という印象ですが、近ごろは野菜の販路が拡大してきています。
そのため、自分で作物を育てたあと、その作物をどのように売るか(スーパーに出したり、ネットで販売したり)まで考慮する農家さんが増えてきているのです。
その姿はさながら「経営者」。
自分で作物を育てているので、いわゆる「メーカー」みたいなものですよね。利益も自分が総取りできます。
お話ししていて感じるのですが、農家さんは記憶力に優れ、頭の回転が早い方が多いです。
ちなみに、農家さんのファッションも「かっこよく」なってきています。
昔ながらの農業服はどうしても地味なデザインで、機能性のみを重視したものが多かったように思えますが、近ごろはおしゃれに凝った農業用の服や帽子が増えてきました。
農業新3K:「稼げる」について
農家さんは個人事業主であり、会社員では稼げないような金額を稼ぐこともできます。
実際私たちの知り合いにも年商1億円を超えている方がいますし、年商数千万円の農家さんもゴロゴロいます。
JAや市場に卸すだけだと難しいですが、自分でネットで販売してみたりと工夫をすれば、学歴や職歴に関係なく大きな額を稼ぐことが可能な点が農業の魅力でしょう。
農業3Kまとめ
以上、農業3Kについてでした。
マイナスなイメージの「旧3K」があることは事実ですが、これは農業の悪い面だけに着目した考え方です。
「新3K」のように、農業には良い面もたくさんあることを知っていただけたら幸いです。
ぜひ、「感動・かっこいい・稼げる」最高の職業である農業に携わってみてはいかがでしょうか?